新潟県議選(3月29日告示、4月7日投開票)の三条市選挙区(定数2)に無所属で立候補する新人の杉井旬氏(57)の総決起集会が24日、三条東公民館で開かれ、250人近くが参集して杉井氏の勝利を願った。
坂井後援会長「1万5千票に到達できるように」
坂井欣一後援会長は、三条市選挙区に杉井氏を含め4人が立候補を予定している状況について「3人が横並びじゃないか、あるいは藤田さんにうちが負けるんじゃないかというようなうわさもある」が、「目標である1万5千票に到達できるように皆さんの力を結集していただきたい」とし、「わたしは多分、選挙に携わるのはこれが最後になるかと思う」と支援を求めた。
国定市長「完全に仕事ができることは保証する」
来賓の国定勇人三条市長は、三条市長の立場から見てそれほど県議選が最重要なものなのかと、これまでは「思い入れ深く自ら入り込む形で携わったことはない」が、「今回の県議選だけはそういうわけにはいかない」、「どの候補が県議になってもリスタート、再スタートしなければいけない大切な選挙」と位置付けた。
自身の責任もあるとしたうえで、今の三条市にとっていちばん弱いのは「残念ながら県との関係」。ここまでなんとかやってこられたのは、県とはそれほど太い関係を築く必要はなく、三条市選挙区は県議が保革1人ずつの安定していた状況があったが、三条市の永続的な発展には県との協調関係が今まで以上に不可欠になり、「これから先の三条の未来にとって本当に仕事をしていただけるような方を県議として輩出をしなければ、今でこそゼロからのスタートなのにまた4年間、足踏みするのか。また8年間、足踏みするのか」と問い、「それは絶対にとってはいけない方策」とした。
杉井氏は市長に初当選したときから「二人三脚で仕事をしてきた」とし、「議会人としての手練手管は完璧」、「わずか2期目で会派をおこし、第2会派にまで成長させた」と手腕を高く評価した。
過去12年間で三条市長として一度だけ議会で否決されたのが、国保税の税率の引き上げた。否決の「首謀者が杉井均」で、市議会議員をすべて説得し、市長提案よりずっと上げ幅が低い、「ちゃんと理屈と論理が整合性がある対案を出し、すがすがしいくらいに全会一致で否決された」と振り返り、「完全に仕事ができることは保証する」と断言した。
ただ、県議選のムードが低調、候補者それぞれの情報が正しく市民に伝わっているかを心配し、「私自身、今の状況を振り返ったときに杉井さんを落とすわけにはいかないとあらためて思いをめぐらせる」、「皆さんが(杉井さんの)正しい情報をひとりでも多く伝えることができれば、そのひとりは必ず正しい判断を、杉井旬が県議会議員になるべきだという正しい判断をしてくれることは間違いないとかたく信じている」とし、「三条市民を信じ切るために行動を起こしていこう」と訴えた。
高橋元市長 市町村と県の役割分担に「我が意を得たり」
元三条市長の高橋一夫氏は、杉井氏のパンフレットに県議になったら市町村と県との役割分担をきちっとするとあったくだりに「我が意を得たりと感じた」。市長時代に姉妹友好都市になったカナダのバーン市の市議会が小選挙区制で議員の数も少なく、一部の市議は県議も兼ねていることを引き合いに出し、「役割分担がきちっとして無駄がない」。県と市町村が連携すれば「各市町村と県がもっと一体的な形で発展していく」とした。
杉井氏が毎日、三條新聞のコラムを書いていることに、「4人の候補者と言うよりも三条市民全体のなかでもいちばん三条市のことを知っている」。菊田真紀子衆院議員の公設秘書を2年間務めたことや、これまでの市議会での活躍の経験から「今の4人の立候補者のなかで杉井さんをおいてほかにない。どうしても杉井さんを三条の代表として議会に送らなければならない人材」とし、最初の選挙は候補よりも応援団の力が大事で、「トップ当選するように頑張ってほしい」と期待した。
草野積発堂理事長「この男しかいない」
医療法人積発堂理事長の草野恒輔氏は杉井氏を「とにかく信頼に足る男。わたしにとっては非常に大事だったし、今後とも大事にしていかなければだめな人」と評した。三条市医師会長だった時代に1年半で準備を進めた県央医師会応急診療所で大事な応援団だったのが杉井氏で、「杉井君がすべて会議の中に入っていてくれた。事細かにアドバイスをいただいた。そのおかげで応急診療所が完成した」。「完成した年に新型インフルエンザの大流行があった。もしその診療所がなかったら、三条、県央、新潟県、救急医療が破綻していたと思う」と感謝し、「現在、この男しかいない」と述べた。
菊田衆院議員 杉井氏が「いちばん最初に県央基幹病院を作ろうと」
菊田衆院議員は杉井氏の経験、ネームバリュー、実績から大丈夫と安心していたが、「実はそうじゃないんだ、大変なんだという話で、わたしも青くなって駆けつけた」。衆院議員に初当選して右も左もわからないときに政策も質問も杉井氏が「いろんなことを教えてくれ、それを国会の質問に反映させてきた」と明かした。
県央基幹病院の問題でも「県との調整の必要性をいつもわたしに教えてくれる」存在で、「水面下で陰ながら仕事をさせてもらった」。今では市議の多くが自分が言い出したようなことを言うが、「いちばん最初に県央基幹病院を作ろうと、国定市長と一緒にやりたいと言ったのが杉井さんだった」と先見性を評価した。
国の原発政策が行き詰まりを取り上げ、「県議会という立場で調査、研究をしていくということをぜひやっていただきたい」と求め、県議会では議長が期数順に1年交代であることに疑問を示し「互いに切磋琢磨していく、緊張感のある政治を県議会でも県政でもつくっていただきたい」と期待した。
一方、女性の候補予定者が「自民党から推薦を受けながら、ポスターには原発反対と大きく印刷されているのもわたしには意味がわからない」とも指摘し、「誤りのない目で判断して」、「杉井さんを県政の壇上へと押し上げていただきたい」と支援を求めた。
杉井氏決意表明「県と市町村の関係を再構築する」
そして杉井氏が決意表明。杉井氏は、記者、公設秘書、三条市議として「得難い経験を積んだ」とし、「県と市町村の役割がごちゃごちゃすぎる。だから無駄が多い。県と市町村の関係を再構築しないと、これから先の時代、生き残っていけない」と思いを話した。
県の制度融資、補助制度、工業団地の造成はすべて三条市でもやっており、「同じことを県がやる必要があるのか」と指摘。金の使い道を監視するのが政治家の仕事で、今の県と市町村の関係では「効率が悪い」。例えば除雪は国、県、市で道路の管轄が異なる。市町村をまたぐ広域的な事業は県がやるが、それ以外は市町村がやるというのが地方自治法で、「市町村にみんな委ねるべき」、「(権限)を市町村に移せるものはいっぱいある」。農振除外されないために無駄になっている田んぼの土地は3万ヘクタールもあり、農振除外されれば山手でもサッカー場やグラウンドが作れる。
県がやるべきなのは、三条からの海外進出に新潟県が後ろ盾になって交渉することや、国際的な企業の配送拠点を新潟に誘致すること、新幹線を新潟空港まで延伸すること。市町村にできていないこと、市町村同士の連絡調整を県がやる。
県央地域の消防業務の統合の調整も県がやるべきことで、「今、申し上げたようなことを県議会で言うべきだと思っていただけたら、ぜひわたしをご支援をたまわりたい」求めた。最後に勝つぞーコールを行った。
(佐藤)