燕市など主催の「ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール2019」と「若monoデザインコンペティンション燕vol.3」の表彰式が3月26日、燕三条地場産業振興センターで行われた。
ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクールは、燕市産品のデザインの高度化と振興を図ろうと1977年に始まった「にいがた県燕市物産デザインコンクール」が前身で今回で42回目になった。
前回まで「金属洋食器・金属ハウスウェア」と「関連商品・新分野開発製品」の2部門で行ったが、多様な製品が出品されていることもあり、今回初めて部門分けをなくし、46件の応募があった。
グランプリの経済大臣賞を受賞したのは、株式会社富田刃物の「アングル型レジャーナイフ」。土を掘れる園芸用ナイフ「レジャーナイフ」シリーズのアングル型。初めてのステンレス製のアングル型ナイフを自社の刃物加工技術と燕市のステンレス加工技術で実現した。そのほか準グランプリ、優秀賞、審査委員特別賞2点ずつを表彰した。
グランプリに輝いた富田刃物はグッドデザイン賞を受けた製品があり、このコンクールでは受賞歴があるが最高賞は今回初めて。富田博之社長は受賞者代表の謝辞で「これを励みにますます頑張っていこうと思う」、「デザインコンペティションがより有名になるようにわれわれも切磋琢磨し、盛り上げていきたい」と話した。
「若monoデザインコンペティション燕」は、学生や若手デザイナーの視点で優れた製品デザインを集めて製品化を目指すコンペティションで、今回が3回目。全国から59点もの応募があり、大賞のデザイナー岸玄昌さん(28)=東京都=が応募した手のひらに収まるコンパクトなおろし金「leaf」と準大賞3点を表彰した。
大賞の岸さんは学生時代からさまざまなデザインコンペに参加し、このコンペの第1回にもおろし金のデザインで応募し、準大賞を受賞。受賞者代表の謝辞で岸さんは「商品化のチャンスをいただいたことでより深くおろし金について考えるようになり、それが新たなデザインが生まれるきっかけになった。燕市という特色のある産業をもった場所のコンペだからこそ、ひとつのもの、ひとつのデザインに対してより深く考えることができる」と感謝した。
表彰式後、「若monoデザインコンペティション燕」の関連企業選定説明会が開かれ、燕市内の企業が出席して、製品化を目指して受賞者がプレゼンテーションを行った。受賞企業や受賞作品は次の通り。敬称略。
賞 | 受賞企業 | 受賞者 | 製品名 | 製品写真 | |
---|---|---|---|---|---|
グ ラ ン プ リ |
経済大臣賞 | (株)富田刃物 (燕市小関623-1) |
富田博之代表取締役 |
アングル型レジャーナイフ | |
準 グ ラ ン プ リ |
経済産業省 製造産業局長賞 |
藤次郎(株) (燕市物流センター1-13) |
藤田進代表取締役 |
藤次郎 燕シリーズ(テーブルナイフ、テーブルフォーク) | |
中小企業庁長官賞 | (株)曙産業 (燕市南1-2-11) |
大山周平代表取締役 |
モチスラ | ||
優 秀 賞 |
関東経済産業局長賞 | 下村企販(株) (燕市小池4803-4) |
安達雅浩営業部課長 |
珈琲考具 シリーズ | |
新潟県知事賞 | (有)本間器物製作所 (燕市小池1313) |
本間裕和代表取締役 |
ダブルウォール 平盃 | ||
審 査 委 員 特 別 賞 |
杉山金属(株) (燕市小池3633-10) |
小川陽介営業部部長 |
ミニミニ天ぷら角形 アミ・フタ付 | ||
サミット工業(株) (燕市松橋123-1) |
峰島健一代表取締役 |
窒化 エンボス フライパン28cm、北京鍋30cm |
賞 | 受賞者 | 製品名 | 製品写真 |
---|---|---|---|
大 賞 |
岸玄昌(東京都・デザイナー) |
「leaf」(おろし金) | |
準 大 賞 |
佐藤大輔(神奈川県・デザイナー) |
「deo-bird」(シューキーパー) | |
菊地絢子(埼玉県・学生) | 「かるっとマルシェ」(什器) | ||
一ノ瀬武留(大阪府・デザイナー) |
「B-bell」(自転車のベル) |
(佐藤)