横浜から息子3人が97歳の母の手まり展をふるさと栃尾美術館で (2019.4.2)

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「栃尾てまり」と呼ばれる手まりの伝統製法が伝承される新潟県長岡市の栃尾地域。その栃尾地域に生まれ、ふるさとを離れて暮らして97歳になった女性が作りためた「手まり」の作品展が、3人の息子のおぜん立てで4月2日(火)から14日(日)まで長岡市栃尾美術館(長岡市上の原町)で開かれている。

長岡市栃尾美術館で開かれている今井ヨキさんの手まり展
長岡市栃尾美術館で開かれている今井ヨキさんの手まり展

手まりを作ったのは今井(旧姓:酒井)ヨキさん。栃尾地域の入塩川に生まれ、栃尾市立塩川尋常小学校を卒業すると機屋の織り子や個人宅の奉公人として働き、1945年(昭和20)に女子挺身隊(ていしんたい)として名古屋に動員され、B29の爆撃も経験した。

その年の9月に同郷の栃尾地域出身の今井武雄さんと結婚し、神奈川県の川崎市や横浜市で暮らし、武雄さんの退職後は静岡県熱海市に移ったこともあるが、再び横浜市へ。昨年暮れに発作を起こしてから寝たきりになり、今は施設に入所している。

編み物、華道、民謡など多趣味で、1985年(昭和60)に武雄さんが76歳で亡くなってから独学で本を参考に手まりを作り始めた。ほかにも押し絵、文化刺しゅう、レース編み、人形、ビーズ細工、五円玉手芸など幅広く手を染めた。

ヨキさんが独学で技術を習得して作った手まり
ヨキさんが独学で技術を習得して作った手まり

息子たちは化粧箱に入った手まりの存在を知っていたが、ヨキさんが介護を受けるため5年ほど前にケアマネージャーと相談していたところ、ケアマネージャーから見事な手まりの存在に驚かれたのがきっかけで、作品展を開こうと息子が立ち上がった。

2017年、18年と横浜市緑区民文化センター「みどりアートパーク」で作品展を開き、来場者の要望で作品の写真集「今井ヨキ 手作り手鞠の世界」を発行した。18年、栃尾を訪れた息子が長岡市栃尾美術館の存在を知って立ち寄ってギャラリーで展示できると知り、「母親の地元でせっかくならやろうか」となった。

展示している手まりは131個。初日2日に見学に訪れた、栃尾てまりの技を伝承する「栃尾てまりの会」の会員によると、そのうち4つはヨキさんではなく、同会が作ったものと教えてくれた。子どものころにふるさとで手にした手まりの記憶があるのか、ヨキさんが作る手まりは基本が栃尾てまりに似ている一方、同会には存在しない技法を凝らした手まりもあると話していた。

3人の息子は和男さん(71)、清さん(69)、康之さん(64)。元教員の康之さんが中心になって準備を進め、4月1日に清さんと康之さんが横浜市から美術館を訪れて展示作業を行った。

三男の康之さん(左)と次男の清さん
三男の康之さん(左)と次男の清さん

横浜で最初の作品展には、ヨキさんも車いすで会場を訪れた。「横浜で作品展をやったときに、どういう風に作っているんだ、すごいもんだと、みんなびっくりされた」と康之さん。手まりを持って記念写真を撮る人や、つい持って帰ろうとするお年寄りもいた。

ヨキさんは施設を出ることもかなわず、ふるさとでの作品展に「行きたいよー、行けないのかい?」と話していると言う。清さんは、一部の手まりは栃尾てまりの会が作ったとわかり、「ずっと不思議に思っていた作り方の違いがわかってすっきりした」と話した。

康之さんらは2、3日、6、7日、13、14日は会場にいる予定。手まりの作品展の見学は無料。問い合わせは長岡市栃尾美術館(電話:0258-53-6300)へ。

(佐藤)


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