背脂ラーメンを生み出した新潟県燕市のラーメンの名店「杭州飯店」(燕市西燕)の二代目、徐勝二さん(73)が2018年の秋の叙勲で旭日単光章を受けたことを祝う記念祝賀会が4月8日、燕市・燕三条ワシントンホテルで開かれ、約300人が出席した。
徐さんは1946年(昭和21)に燕市に生まれ、東京都文京区の市立郁文館高校を卒業し、63年(同38)に杭州飯店の前身といえる福来亭で父、昌星さんとともに働き始めた。85年(同60)に設立した株式会社杭州飯店の代表取締役に就き、2015年(平成27)から相談役に就いている。
一方で1978年(昭和53)に新潟県麺類飲食業生活衛生同業組合の理事となって以後、燕支部長や常務理事を歴任し、2008年(平成20)から2度目の副理事長に就いている。
1994年(平成6)に全国環境衛生同業組合連合会から環境衛生功労で理事長感謝状を受け、生活衛生功労で2003年(平成15)新潟県知事表彰、05年に厚生労働大臣表彰を受け、ついに叙勲に輝いた。
記念祝賀会は新潟県麺類飲食業生活衛生同業組合の荒納正晴理事長を発起人代表に5人が発起人となった。ステージに旭日単光章を飾り、燕粋会の木やりの先導で徐勝二さん、富子さん夫婦が入場して開会した。
来賓祝辞や花束贈呈が、祝宴は鏡開きで始まり、弥彦芸妓の祝舞や演奏など次々と出し物が繰り広げられ、最後は万歳三唱で締めくくった。
謝辞で勝二さんは昨年11月に皇居での天皇陛下に拝謁し、「家内とふたり人生最高の感動のときを過ごした」とし、これまでの大勢の人たちからの支援や協力に感謝し、「家内とふたり、燕の食文化の背脂ラーメンのさらなる発展を見守り、皆さまととともに充実した日々を過ごしてまいりたい」と述べた。
燕尾服を着た勝二さんは緊張もあって、謝辞を書いた紙を2ページから読み始めたり、誤読したりする場面もあったが、そのたびにとなりに立つ富子さんが正し、夫婦の仲むつまじい関係を象徴していた。
田野隆夫燕商工会議所会頭は、勝二さんが「富子さんをもうらうのには5回目の見合いでやっと来てくれた嫁だから、これに出られたら俺は二度と嫁さんをもらない。そう思って 最愛の妻だと思ってずっと愛してるとおっしゃった」と紹介。続けて「聞きもしない話を自分からしゃべるもんだな」と落とす田野節で会場を爆笑させながら「本当におしどり夫婦という方はこういう方のことを言うんだなとしみじみ思った」と話した。
鈴木力燕市長は、実家の鮮魚店「吉田屋商店」の向かいに福来亭があり、子どものころからその背脂ラーメンを食べて育ったことを話し、背脂ラーメンは燕のソウルフードどころか「日本を代表するソウルフードの地位を確立したのでは」と称賛した。
会場には俳優の渡辺謙さんや小説家の林真理子さんからの花も届き、全国に杭州飯店のファンが広がっている。
(佐藤)