新潟県三条市桜木町、三条ものづくり学校では、4月13日(土)、14日(日)の2日間、2015年4月にオープンしてから4周年の感謝祭「工場蚤(こうばのみ)の市」を開いている。三条ものづくり学校の駐車場は利用できず、無料シャトルバスを利用するしかないにもかかわらず、初日13日は会場がごった返す大にぎわいだった。
年に一度の恒例の感謝祭。地元燕三条地域をはじめ全国のものづくりの会社などが参加し、マーケット70件、ワークショップ35件、ほかにキッチンカーも参加して合わせて120件を超す。
マーケットでは、商品にならなかったサンプル品、使われなくなった道具、地元の歴史ある逸品、廃材に手を加えたアップサイクル品などを販売し、掘り出し物も。地元では見ることのない県外の産品やB品の特価販売、不要になったただの金属の丸棒の販売などさまざまで見飽きない。
異色なのが「三条ものづくり部」。昨年7月から活動し、高校生8人がものづくりを考え、実際に地元の企業から製作してもらってアイデアを形にした。4人ずつ2つのチームに分かれてひとつは「KEEPAGE(キーページ)」、もうひとつは「蟹(カニ)の名は。ー前前前世は廃材だったー」。
「KEEPAGE」は金属の板を「J」の字の形にして穴を開け、ペンを差すと本が閉じないように止めることができる実用的な道具。「蟹の名は。…」はステンレス板を型で抜いたあとの廃材を組み合わせ、三条で多く作られる工具をカニに例え、戦陣に出る武将たちのかぶとをカブトガニで表現した大きなオブジェ。高校生らは来場者の足を止めてもらって製作のプロセスや苦労を熱く話し、販売価格1,000円の「KEEPAGE」はいくつか売れる成果も上がった。
13日はNHK連続テレビ小説「半分、青い。」のオープニング映像の絵を描いて注目を集めた上越市出身のデザイナー大塚いちおさんが昨年に続いてワークショップを行った。大塚さんがデザインしたキャラクター「上越妙高駅おでむかえキャラクター ウェルモ」の木彫りグッズの絵付け体験を行った。
模型やプラモデルの株式会社タミヤが初参加した。2日間とも三条ものづくり学校前の芝生グラウンドにラジコン体験コーナーを設置。バギーを中心としたRCカーを中心にRCの操縦を体験できる。ミニSLのRCカー版のような荷台に子どもが乗って走行できる乗用トレーラーのRCカーも用意する。タミヤの箱なしなどB品の販売も行っている。
タミヤ三銃士と言われるデザイナーのJUN WATANABEさんが自身のラジコンコンテンツのブロックヘッドモータースとして昨年に続いてワークショップを開き、ミニ四駆の組み立てや体験走行を実施している。
タミヤは、模型製作用の工具を燕三条地域のメーカーにOEMに出している。燕三条地域の企業とのつながりは深いが、新潟県内には模型店が少ないこともあり、エンドユーザーとの接点は少ない。工場蚤の市への参加は今回が初めてだったが、機会があったらこうしたイベントに積極的に参加したいと話していた。
14日だけ出店のマーケットやワークショップもあり、2日間とも来場しても楽しい。2日間とも午前10時から午後4時まで。三条ものづくり学校の駐車場は利用できず、三条市西本成寺190、パール金属株式会社に開設する臨時駐車場が利用でき、両方を結ぶ無料シャトルバスを運行するほか、三条駅を経由する無料シャトルバスも運行する。問い合わせは三条ものづくり学校(電話:0256-34-6700)へ。
(佐藤)