福島から三条市に避難している人たちへの支援を続ける三条市江口の農業渡辺幸蔵さん(71)は17日、恒例の「こどもの日」のプレゼントと改元のお祝いの気持ちを込めてとして、自身で栽培した「コシヒカリ」計500キロを避難者のための交流ルーム「ひばり」に届けた。
午前10時半ころ、軽トラックの荷台に5キロずつ袋に詰めた「コシヒカリ」100袋を乗せて、三条市総合福祉センター内の「ひばり」を訪れ、「ひばり」を運営するボランティアグループ「さんじょう∞福島『結』の会」の佐竹紀代表(福島県南相馬市)に渡した。
現在、三条市には31世帯77人が避難している。今回のプレゼントは、恒例の「こどもの日」のお祝いとして中学生以下の子どもたち12人に1袋ずつに加え、「令和」への改元のお祝いの気持ちとして77人全員分にあててほしいとした。
渡辺さんが福島から避難している人にプレゼントを最初に贈ったのは2014年2月。2011年の7.29水害で五十嵐川が決壊し渡辺さんの暮らす地域は被害を受けた。渡辺さんの自宅は無事だったもののサツマイモ畑が土砂で流されるなどの被害を受けた。
その当時の「全国から支援を受けたお返しと感謝の気持ち」として、「無理をしないで細く、長く続けたい」と申し出て以来6年目となる長い支援を続けている。
毎年、正月や「敬老の日」、「こどもの日」にコメや野菜を贈り、自分の畑に招待してイチゴ狩りやサツマイモ掘りしてもらったりしている。
渡辺さんは、「コメは余っているから」と笑い、「子どもにはさ、いっぺ食て、おっきなってもらいたい」、「皆さんの元気な顔を見るのが張りあい」と目を細めた。また、「百姓してるうちは続けたい」、「それこそ、佐竹さん、わーりーね、分配するの大変で」と佐竹代表のことも気遣った。
佐竹代表は、渡辺さんのような応援はなかなかできないこととして「ありがたい」と感謝した。
渡辺さんからのプレゼントは、三条市に避難している人への情報紙で案内し、取りにきてもらうことにしている。
(坂井)