新潟県燕市分水地区で4月21日(日)、豪華できらびやかな衣装をまとったおいらん役を中心とした行列で春を彩る毎年恒例の分水おいらん道中が行われる。
ことしで第77回になる伝統行事。おいらん役は公募し、応募のあった41人から選ばれた3人が務める。行列は60人で編成して2回行い、正午から諏訪神社前を出発して地蔵堂本町通りを南の願王閣方向へ進み、午後2時から信濃川大河津資料館付近を出発して大河津分水路右岸の桜土手を下流へ向かって進む。
風雨が強い場合は燕市分水総合体育館に会場を移して午後0時半から、2時から、3時半からの3回行う。昨年は2年ぶりに屋内開催となったが、予報ではことしは屋内開催にはならなさそうだ。
あわせてイベントも行われる。地蔵堂本町通りでは青空市「ツバメルシェ」として35店が出店。1人4,500円でおいらん衣装や化粧ができるおいらん変身コーナーが設置され、変身したおいらんの体験撮影、ハンドベル演奏、お囃子生演奏も行われる。
大河津分水桜並木でも土手下の桜公園に25店が出店する。両会場とも仮装団体「つばめ・ちん・どん」が行列の前にパフォーマンスを披露し、燕三条エフエムでおなじみのさとちんさんがMCを務める。高校生ボランティア約60人もさまざまな場面でイベントをサポートする。
分水おいらん道中にあわせて分水御輿「春の陣」で午前10時から諏訪神社で神事のあと地蔵堂本町通りで御輿渡御が行われる。前日20日は午後1時から分水仏教会による花まつり稚児行列が分水福祉会館を出発して勝敬寺まで地蔵堂本町通りを練り歩き、さくら公園を発着点に第30回燕さくらマラソン大会も開かれる。
おいらん役の3人は3回、おいらん独特の足をゆっくりと外へ振り出し、高げたを寝かせて足を前へ運ぶ「外八文字」と呼ばれる歩き方などを練習した。
4月5日の2回目の練習では、桜太夫を務める地元分水地区出身で東京に住む阿部由香さん(31)は、「体をひねったときに、真っすぐ前を見るようにすごく注意されたので、それをちゃんとしようと思った」と自分に言い聞かせ、「ふだんも軽く運動はしていますが、本番に向けてまたちょっとトレーニングして頑張ろうと思う」。
分水太夫を務める神奈川県出身で燕市へ移住した南山陽子さん(26)は「足がぷるぷるする。いろんなところに意識を向けるのが大変」と言いながらも「心配もありますが、イメージトレーニングをして次の練習に向けて頑張る」。
信濃太夫を務める分水地区出身で新潟市に住む斉藤若菜さん(22)は、「ひとつひとつの動作をきちっと止めるように心がける」。3人のなかでいちばん汗をかいており、「体の節々が痛くて筋肉痛になりそう」、「こんなに汗をかいたのは初めてかも。サウナでもこんなに汗をかかない」とそれぞれ笑顔で話していた。