新潟県燕市の金属加工産業の技術や変遷を伝える1973年(昭和48)開館の燕市産業史料館(燕市大曲4330-1)が4月19日、リニューアルオープンした。
昨年7月から本館の展示リニューアル、体験工房館の新設、屋外交流広場の整備が行われ、燕市の産業観光のハブとなる施設に生まれ変わった。
19日は午前10時からテープカットを行い、午後1時に開館。平日はいえ切れ目なく来場者があり、市民の関心の高さを示した。
テープカットには燕市で伝承される鎚起銅器の技術を継承、発展させた人間国宝の金工家、玉川宣夫(たまがわ・のりお)さん(77)=燕市花見=も出席した。本館2階には史料館が所蔵するかつて宣夫さんが働いた玉川堂の鎚起銅器を展示している。とくに宣夫さんの作品十数点はまとめて年代順に展示。これまで倉庫のように展示していたのとは大違いだ。
宣夫さんは「わたしのすべてというか、集大成を並べてもらってありがたい」。宣夫さんと言えば、種類の違う金属を何層にも重ねて木目のような文様をつくる「木目金(もくめがね)」という技術で知られるが、「こういうこともしたとか、ああいう勉強もしたんだとかいうことも見てもらいたい。木目金だけじゃなくて」と話し、魅力的に生まれ変わった史料館に喜んでいた。
オープン記念で19日から21日までの3日間は入館無料で、20、21日は子どももおとなも楽しめるオープン記念イベント「産業史料館で昭和を楽しもう」を行う。問い合わせは燕市産業史料館(0256-63-7666)。
(佐藤