人生に何度もない改元という大きな節目に新たな人生の門出をと、新潟県の燕三条地域でも元号が「平成」から「令和」に改まった5月1日、「大安」で日柄もよく、婚姻届を提出する「令和婚」のカップルが相次いでいる。
三条市役所では婚姻届けに不備があってあとになって婚姻届の提出日が遅れてしまわないよう、1日は臨時窓口を開設。午前0時を過ぎてすぐ当直室に婚姻届を提出したカップルもあり、夜間でも3件、午前中で約20件の届け出があった。
市民窓口課では1日で30件前後の届け出を見込んでいたので想定内とはいえ、手続き作業に追われて1時間以上も待たされるカップルもあり、多いときは10組近くがいすにすわって手続きを待った。
この日、婚姻届を提出されたカップルには、プレミアム記念台紙を贈呈。提出をすませた夫婦は、4月22日から設置している記念写真コーナーで夫婦になったあかしの記念写真を撮っている。
婚姻届を提出した新潟市秋葉区に住む三条市出身の本間司さん(37)と加茂市出身の本間(旧姓・西方)のぞみさん(27)は、4月26日から同居している。令和初日に婚姻届を提出しようと思いついたのは司さんで、「新しい元号で新しい生活を始められたらと思って」。加えて「三条市は記念台紙をいただけると聞いて」三条市役所に提出した。
結婚式は来年4月を予定。婚姻届を提出して司さんは「まだあまり実感がなくて」、のぞみさんは「無事に終わったという感じ」と、うれしさとほっとしたようなようすだった。
一方、燕市役所では祝日扱いで時間外窓口で対応。夜間に4件の届け出があり、午前中で20件近くになった。提出だけなので待ち時間はなく、提出をすませると時間外窓口に設置したお祝いのパネルをバックに、この日限りの「令和元.5ハート1」と印刷したパネルを手に記念写真を撮っている。
婚姻届を提出した新潟市西蒲区の武田(旧姓・早川)和志さん(41)、燕市に住む武田彩曜子さん(33)夫婦は、1、2カ月後に彩曜子さんの実家のリフォームがすんだらそこで一緒に暮らし始める。リフォームの費用がかさむので「結婚式はせずに写真だけにしようと思っている」と笑った。
2人とも同じ燕市内のメーカーで働く。「職場も一緒なので休みの日も会社の飲み会も一緒」。いずれ結婚するつもりだったが、「決断力がなくて」きっかけがなかった。
「せっかく元号が変わる日があるからと。きょう結婚できて良かった。この日がなかったらまだこの先、何年も結婚しなかったかも」。改元が結婚の背中を押してくれた、まさに「令和婚」で、「これ以上ないタイミングだった」と感謝している。
w(佐藤)