新潟県加茂市の小池清彦市長は、5月9日の6期目の市長職任期満了まで残り1週間を切った3日、令和元年度成人式に来賓として出席。例年のように少子化脱却と平和憲法堅持を訴える一方で、例年と変わったところもあった。
小池市長の祝辞
成人式の小池市長の祝辞は長いことでい知られるが、ことしも20分近い祝辞だった。開式すると、壇上のいすに座る小池市長は、顔を上げて会場の隅々を見渡した。最後の成人式を感慨深く味わっているのかと思ったが、祝辞を前にステージの袖の職員を呼び、何事か指示しているようすだった。
司会に祝辞の紹介をされると、待ったをかけ、会場に中学校別の席や保護者の席の位置を示すために会場に設置した立て札を撤去させた。出席者がステージがよく見えるようにというのか、小池氏市長から見て目障りだったのか、理由はわからないが、初めてのことと職員は言う。
時々、大声を上げる新成人がいても、小池市長は手を振り、にこにこ顔で応えた。祝辞では「大変、元気があってよろしいですね。あとで少子化脱却の話をしますんで、ぜひ元気を出して少子化を脱却していっていただきたい」と余裕しゃくしゃくだった。
さらに祝辞で、「まあ、私の任期も5月9日で終わりまして、幸いなことにですね、本日、私の任期最後の成人式でですね、お話をすることができたと。これは大変に光栄なことであります」と、やはり小池市長にとっても特別な思いをもって迎えた成人式だったようだ。
閉式後、小池市長は客席に下りて新成人と握手するなど交流するのが常だったが、今回はどんちょうが下りると新成人とふれあうことなくそのまま会場をあとにした。小池市長は先の市長選敗戦のインタビューで「老兵は死なずただ消え去るのみ」と答えたが、先がないのに新成人とふれあうことを潔しとしなかったのだろうか。いずれにしろ小池市長の退任を感じさせる成人式だった。
(佐藤)