地域包括ケアシステムの構築を効果的、効率的に推進しようと新潟県三条市と三条市医師会は「三条市地域包括ケア総合推進センター」を開設し、5月7日、開所式を行って業務を開始した。
三条市大野畑に建設された新築移転の済生会三条訪問看護ステーションと新規開設の済生会三条療育サポートセンターひまわりを併設する鉄工造1階建て延べ床面積627平方メートルの施設のうち、123平方メートルを三条市地域包括ケア総合推進センターに充てる。
三条市医師会は県内でも先駆けて新潟県在宅医療連携モデル事業に着手し、2016年から三条市の在宅医療・介護連携推進事業を受託し、三条市医師会館内に三条市在宅医療推進センターを設置した。
三条市医師会が運営しているものの、1日に何度も三条市と連絡を取り合っていることから、物理的に両者が同じ空間で業務を進めることでより効率的、機能的な運営を図ろうと、三条市在宅医療推進センターを三条市地域包括ケア総合推進センターに統合し、地域包括ケアシステム推進の拠点施設として再スタートする。
三条市と三条医師会から3人ずつが常駐。隣接する済生会三条病院の郷秀人院長がセンター長、三条市の高齢福祉課保佐が次長に就く。
地域包括ケアシステム構築を推進する現場の専門職の医療、介護、生活支援の資源にかかわる調整機能を果たす。在宅医療に限らず介護と生活支援まで幅広くカバーするのは珍しいと言う。
開所式では、国定勇人市長と郷院長が推進センター窓口上に設置した看板の序幕を行った。国定市長は、この推進センターの取り組みは、国の動きより1年から1年半くらい先駆けて実現したとし、「全国に誇れるすばらしいシステムにつながっていくことを祈念する」と述べた。
三条市医師会の水野春芳会長はICTを活用して構築した情報共有システム「三条ひめさゆりネット」は市内73の医療介護事業所が参加し、約420人の市民の療養生活の情報共有が行われていることなどこれまでの取り組みを話し、「医師会としても三条市や関係団体と連携し、さらなる事業に取り組む」と述べた。
(佐藤)