新潟県長岡市与板町与板の楽山苑で5月10日から19日まで恒例の苑内のライトアップが行われてり、あわせて週末を中心にさまざまなイベントが行われている。
楽山苑は、江戸時代の豪商、与板の旧大坂屋三輪家の別荘で、山の斜面を生かして庭園や茶室、観音堂がなどがあり、中心となる建物「楽山亭」は1892年(明治25)に三輪家11代当主の三輪潤太郎が建設した。
苑内にあるツツジの開花にあわせて1995年から毎年5月中旬にライトアップとイベントが行われている。11日は長岡市を拠点に活動する長岡雅楽愛好会が楽山亭で恒例の雅楽演奏を行った。
狩衣を着た12人の会員が窓を外した楽山亭の座敷を舞台に約1時間、演奏した。あわせて鳳笙(ほうしょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)など使用した7種類の楽器の紹介や演奏する旋律を声に出して歌う「唱歌(しょうが)」と呼ばれる練習法も紹介した。
窓を外した楽山亭でライトアップされた幻想的な苑内に流れる雅楽の響きは、幽玄な世界へいざなうようだった。楽山亭前の庭には約100人が座って演奏に聞き入った。
「雅楽を聞いて五七五ができればいいけど」と俳句の構想を得ようとイメージを膨らませる人もいた。最後は唱歌「故郷(ふるさと)」を演奏し、大きな拍手でわいた。
このあとも週末を中心に茶席、香道、琴と尺八、ジャズの演奏などが行われる。19日(日)午後2時から行われる特別講演会では、野積良寛研究所の本間明所長を講師に「良寛と大坂屋三輪家」をテーマに楽山苑が担った江戸時代の文化や歴史について聞く。
また、12日(日)は午前10時から午後8時まで春の観光まつりが開かれ、地元の特産品が販売され、酒も味わえる。ライトアップ期間中は写真撮影会が開かれ、楽山苑で撮影したお気に入りの1枚を「まちの駅よいた」や「与板いきいき文化フェスティバル」に展示。「まちの駅よいた」ではライトアップ事業の発案者、吉田直治氏追悼墨彩画展が開かれている。
ライトアップ期間中の楽山苑の開苑時間は午前10時から午後9時半まで、点灯時間は午後6時半から9時半まで。今後の行事日程は次の通り。
■5月12日(日)
■5月15日(水)
■5月18日(土)
■5月19日(日)
(佐藤)