5月11日に長岡市悠久山球場で行われた第140回北信越高校野球新潟県大会の準決勝に勝って38年ぶりの北信越大会出場を決めた県立三条高校は12日、悠久山球場で行われた決勝で日本文理と対戦。3-11で敗れこそしたものの堂々の準優勝を飾った。
新潟県大会には県内76校が出場してトーナメントで競った。三条は三条東に5-0、上越に8-2、新発田に10-3と勝ち進み、準々決勝で高田に4-3、準決勝で村上桜ヶ丘に3-1で勝ち、同じく準決勝で北越に5-4で勝った日本文理とともに北信越出場を決めた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
三条 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
日本文理 | 4 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | × | 11 |
決勝では三条が1回表に4番井上大輝(本成寺中)の左越適時二塁打で1点を先制した。前日の準決勝で初めて完投した三条の2年生エース、丸山尊仁(みこと)(加茂中)は先発せず、ストレートをねらい打ちされてその裏に4点、2回裏にも3点と大量得点を許した。
平沢周太郎監督は「ひと回りずつ4人でということで、どんな状況でもそれでいくと決めていったが、あまりにも苦しい展開になったのでなかなかできなかった」と振り返った。「2回の途中でちゃんと指示を出せば良かった」、「変化球を混ぜたら落ち着いてくれた。少し悔いが残る」と話した。
3回表に2点を追加して3-7と追い上げ、応援席も盛り上がったが、その後は両校とも得点できず小康状態に。8回裏、準決勝勝利の立役者の丸山が登板したが、やはり疲れが残っていたこともあるのか、連打を許して4失点。再び3-11と引き離されたまま試合終了となった。
平沢監督は「きょうは宿題をいっぱいもらった。お勉強は得意なはずなので、なんとかその宿題をしっかりこなして、まずは北信越にしっかりと立ち向かって最後には1点上回って勝てるようにしていきたい」と笑いもまじえてにこやかに話した。表彰式では、慣れたようすの日本文理に対して三条はどこかぎこちなく、対照的だった。
三塁側のスタンドには三条の野球部OBや卒業生が声援を送った。総務省から新潟県産業労働観光部長に就いた佐久間寛道さん(43)は三条市出身で三条の野球部OB。自身の時代は「春でベスト16が最高でした。昔、優勝した人たち以来の強さと言われ、優勝候補とも書かれた」と言う。
後輩の戦いぶりを目の当たりにして「強いですね。前向きな気持ちと平常心がすばらしい。あんなに点を取られて実力差があると言われているのに、3回以降を見たら(8回を除いて)2-0ですから」と分析、評価し、「何とか富山の北信越大会を見に行けないかな」と早くも次の戦いに心躍らせていた。
52歳の野球部OBは、「いや〜、とにかくうれいしいね〜」としみじみ。前回、北信越大会に行ったのは4年上の先輩にあたり、「きょうはそのときのメンバーはみんな見に来ている」。その北信越大会では石川県の名門、星陵に初戦で敗れたと言う。
この決勝戦では「ぜひ優勝してもらいたい。秋なら21世紀枠、もしくは選抜にかかるんだけど」と期待を膨らませて観戦していた。
13年前まで3年間、三条の野球部マネジャーを務めた31歳の女性は「あたしたちのころはめっちゃくちゃ弱かった。だいたい1、2回戦負けでした」。進学校だけに「勉強と両立してここまで勝ち上がって来るのは本当にすごい」と、北信越出場の快挙に、とにかく驚いた。
「この前、子どもたちと三高野球部と遊ぶイベントがあって、それに行ってきて、みんなすごいいい子たちで、地域の子どもたちも大切にしつつ、こういうところで力も発揮できてすごくいいチームと思って」と目をうるませ、結果だけでなく選手の姿勢に親のような気持ちで感動していた。
北信越大会は6月1日から富山県で行われる。三条のメンバーは次の通り。
■先発選手
■控え選手
(佐藤)