新潟県燕市吉田地区の吉田地区まちづくり協議会(浜田敏子会長)は5月11日午後、燕市吉田下町の天満宮で毎年恒例の「ふだん着でお茶を楽しむ会」を開き、好天に恵まれて過去最多レベルの約250人が参加した。
「天神さま」と呼ばれて親しまれる天満宮の境内を会場に、野点(のだて)で茶を味わって地域のコミュニケーションを図ろうと毎年、開かれている地元の大事な年中行事のひとつ。以前は春と秋の年2回だったが、7、8年前から年1回、春に開いている。
点前は吉田中学校茶道部の11人と吉田高校茶道部の4人の地元の学校で茶道をたしなむ女子生徒が担当。立礼(りゅうれい)で境内に長いすを並べて鮮やかに赤い緋毛氈(ひもうせん)をかけ、朱傘も飾った。
地元の華道友の会が小原流と池坊合同で生けた大きな生け花を飾り、吉田盆栽愛好会緑風会は盆栽を展示。板塀には吉田小学校6年生が作った版画と俳句68点ずつも展示。境内を生かした屋外文化祭のようだ。
雨や冷え込みに見舞われる年も多いが、ことしは願ってもない五月晴れ。境内のフジの花が満開で、紫と白の花房を垂らして甘い香りを放ち、晩春から初夏の自然の趣きにあふれたなかで、制服で茶を運ぶ生徒に目を細めてゆったり気分で抹茶を味わっていた。
この事業の担当は吉田地区まちづくり協議会の文化部。華道友の会会長でもある赤川敦麗部長は「グリーンのマツにきりっとした学生さんが映えます。皆さんが年1回のこの行事を楽しみにしていてコミュニケーションを図ってくれてうれしいことです」と話していた。
(佐藤)