14、15の2日間の新潟県三条市・八幡宮の春季大祭「三条祭り」にあわせて、地元にゆかりの有志でつくる敬神会(池田健治会長)は14日、ことしも新しい鈴緒をこしらえ、ぴかぴかに磨き直した鈴とともに八幡宮に奉納した。
毎年5月1日に八幡宮拝殿に下がっている鈴をはずし、会員が持ち回りで2週間かけて磨きあげ、鈴緒を編んで奉納する。敬神会はそのためだけの会。始まりは明らかではないが、真ちゅう製の鈴には「昭和47年5月吉日」とあるので、少なくとも50年近く続いているようだ。
ことしは7人が参加して、自治会長でもある敬神会会長の池田健治さん(79)=八幡町=の家の前の小路にビニールシートを敷いて作業した。鈴は当番になった池田さんが鏡になるほどきれいに磨き上げた。
鈴緒はまず8本の荒縄を束ねて太くしたものを3本作ったら、それぞれ黒、赤、白の布で包むように巻きながら、3本を同じ方向にしぼるようにねじることで、摩擦力だけで1本の太い綱になる。
3本の束を3人が1束ずつ持って力いっぱい引いては左隣りの人に束を渡して編み上げる。「よーいさっさっ、よいやさーのさっ!」の独特なかけ声でリズムをとり、束を引くタイミングを合わせる。
3メートルの長さまで編んだら、鈴緒のいちばん下を結び、結び目を赤い布で包み、毎年寄付してもらっている組みひもの房をつけ、麻ひもを垂らしたら完成。かごを担ぐように鈴を下げた棒の前後を肩に載せ、鈴を鳴らしながら八幡宮へ。鈴と鈴緒を神前に供えて参拝してから、はしごに登って拝殿の屋根の下に取り付けた。
敬神会会員は昨年はひとり亡くなって7人になった。一方で会員の近藤和幸さん(63)=八幡町=の息子の晋一さん(31)=須頃2=が初めて参加。晋一さんは参加したなかで最年少だったが、「思ったより大変、息が切れる」と目を丸くした。
ことしも無事にぴかぴかの鈴と新しい鈴緒で三条祭りを迎えることができた。このあとは地元の料理屋で直会(なおらい)に移った。
(佐藤)