14日の宵宮、15日に大名行列や舞い込みが行われた三条祭りは、三条市の発表によると両日合わせて昨年より5,800人多い69,700人の人出でにぎわった。
雨が降った14日の宵宮は昨年より6,400人少ない17,700人。前夜から一転、青空が広がった15日は八幡宮境内と大名行列の沿道の観客も含めて、昨年より600人多い52,000人が「令和」最初の三条祭りを楽しんだ。
15日は、八幡宮で午前10時からの神事に始まり、10時半から三条傘鉾振興会主催の三条まつり傘鉾コンクールが行われた。大名行列は午後0時45分に八幡宮を出発。先供(やっこ)、導祖神(てんぐ)、弓持や鷹匠の子どもたち、八幡宮の御霊を乗せた神輿やさまざまな道具を三条祭り若衆会が担当し、神職、囃子方、傘鉾と続いて商店街大通りを進んだ。
ゆっくりと進む行列だが、初夏の日差しに参加者は顔を赤くして、額に汗をにじませていた。
「キッズウイーク」で三条市内の小中学校と義務教育学校が休みとなり、朝から大勢の子どもたちが訪れていた。始めて行列を見たという小学生は、鳥兜(とりかぶと)をかぶって刀を差し、高さ約60センチの高下駄を高く上げ、「カーン」と強く地面を踏みしめて歩く「天狗様」の迫力に「すごい、すごい」と釘付けだった。
2人1組で道具を投げて受け渡す先供には、道具の受け渡しが成功するたびに沿道の観客から「お〜」という歓声と拍手が送られた。そのなかでひときわ若く真剣な表情の先供に、「頑張って」のあたたかな声援がたくさん飛んでいた。近年では最年少となる中学3年生の金安拓海君だ。
金安君は、小学校2年生のときから毎年、先供組合の練習を欠かさず見学に訪れている先供の大ファン。子ども大名行列には参加して、メンバーから指導を受けていたが、体の成長や熱意などが認められ、学校も休みだった今回、初めて本家の大名行列への参加が叶った。
大名行列が田島の諏訪神社から八幡宮に戻り、午後5時から舞い込みが行われた。ことしも本殿を囲む境内は、赤や青の祭の半てんを着た1、2歳くらいの小さな子どもを肩車した親とその家族など見物客であふれた。
先供、天狗、御神馬、2基の御輿などに続いて肩車の親子が境内を3周して拝殿に入り、「天狗様」や宮司らに子どもの頭をなでてもらい無病息災を祈った。御輿や太鼓がもみ合いの末に拝殿におさまると参加者や見物客から拍手が起こった。
(坂井)