5月15日を本祭りとする新潟県三条市・八幡宮(藤崎重康宮司)の春季大祭は、15日の大名行列と舞い込みから明けて16日、午後1時から行われた太々神楽で「三条祭り」の幕を閉じた。
三条市内の6社が伝承する神楽32舞が1963年(昭和38)に「三条神楽」として新潟県指定無形民俗文化財となった。八幡宮もその6社のうちのひとつだ。
春季大祭を締めくくる太々神楽の奉納は恒例。境内の舞殿で八幡宮の怜人(れいじん)と稚児(ちご)が先稚児の舞から奉弊の舞まで、12の演目を舞った。
前日の境内は露店がずらりと並び、舞い込みでは少子化はよそのまちの話ではないかと思うほど大勢の親子であふれた。
それとは対照的に境内は鳥のさえずりも聞こえるほどふだんの静けさを取り戻した。初夏を思わせる陽気のなか、太鼓と笛の音が響いた。
近所の人や稚児のお母さんなど数十人が日差しを避けて拝殿に座ったり、いすに腰掛けたりしてゆったりと見物。五穀散(ごこくちらし)の舞では、舞殿から投げる縁起物のもちを取ろうと懸命だった。
(佐藤)