新潟県燕市宮町の戸隠神社(星野和彦宮司)の春季祭礼が5月18日を宵宮祭、19日を例大祭に2日間にわたって行われており、18日は三条で最高気温29.5度を記録する猛暑に見舞われたが、令和初のこともあるのか例年を上回る人出でにぎわった。
戸隠神社春祭りの華は、木場小路万灯組と横町万灯保存会が出す1基ずつ出す万灯と「伊勢音頭」にあわせた小学生の女の子による踊り。それぞれ夕方前から市中を門付けに回った。
ハイライトは夜、戸隠神社境内で行った全員がそろって踊る下座。これを前に木場小路万灯組と横町万灯保存会の万灯が繰り出して祭りムードが一気に盛り上がった。参道に一列に並んだ踊り手を二重三重に見物客が囲み、後ろの人はろくに踊りを見られないほど例年にない混雑だった。
戸隠神社前に万灯を据え、顔もよくわからない暗い境内に太鼓と笛を伴奏に若連中の威勢のいい「伊勢音頭」の歌が響いた。白塗りの化粧であでやかな衣装で踊る女の子の「よーいとな」の合いの手もかわいらしく、見物客は目を細めたり、うるませたりして見物していた。
4月末で閉店した戸隠神社前の宮町商店街の洋品店「ファッションルーム ドンナ」で、これが最後となる木場小路万灯組による門付けが行われた。50年前に第四銀行燕支店前に「セダン」として開店し、その後、宮町商店街に「ドンナ」、穀町商店街に「セダン」と最盛期は3店舗を出店した。1989年に今の場所に「ドンナ」を移転してから30年間、営業した。
今後、飴屋本舗前に小さな店を出す計画になっているが、長く営業した「ドンナ」の惜しまれる閉店。門付けでは木場小路万灯組でもある「ドンナ」の経営者の長男、田中司さんが「伊勢音頭」の木やりを歌った。