元号が平成から令和に変わった新たな時代に新潟県燕市のさらなる発展を祈念して、匿名の燕市民が令和初日の5月1日、市役所正面ロータリーに石銘板を設置し、市に寄付した。
石銘板は、間口180センチ、奥行き50センチ、高さ110センチの黒御影石(くろみかげいし)で、表はかまぼこ状に緩やかな凸面になっている。表に「燕市役所」、わきに「令和元年5月1日」と刻むシンプルなデザインで、サクラの木の前に設置した。
文字は日本書道教育学会で内閣総理大臣賞を受賞し、燕市が作成した「つばめっ子かるた」の読み札の文字も書いた地元の書家、長谷川白楊さんが揮毫(きごう)した。寄付者の趣旨に賛同し、燕市の未来を担う子どもたちから親しみを感じてもらえる市役所にと揮毫を快諾したという。
燕市役所の名称は、市役所敷地への入り口の看板と庁舎入り口の壁の金属製の切り文字で表示している。庁舎は2013年に完成した現代的でシャープな印象だが、石銘板は重厚感を与えてくれて庁舎もぐっと引き締まって見えるようだ。
石銘板の設置にはかなりな費用がかかったと思われる。市で予算化して設置するのは難しいはずで、ありがたい寄付であり、寄付者の思いに応える行政運営も期待される。