先の新潟県加茂市長選の結果を受けて小池清彦前加茂市長とともに吉田敦二前副市長も5月9日で退任。新たな副市長に昨年3月末で加茂市役所を総務課長で定年退職した五十嵐裕幸さん(61)=加茂市=が23日、就任した。
この日、開かれた加茂市議会5月臨時会で副市長に五十嵐さんを選任する議案に同意を得た。五十嵐さんは議場であいさつし、「およそ1年2カ月ぶりに本議場の席に立たせていただいた。大変、緊張している」と始めた。
藤田明美新市長の元で「新しい加茂市のまちづくり、人づくりに携わることができることは本当に光栄」とし、「関取のように適当な4文字熟語が思い浮かばないが」と前置きして「誠心誠意」、「一生懸命」に「職責をまっとうしたい」と述べた。
その後、新たに監査委員に決まった浅野一明市議(46)とともに藤田市長から辞令書を交付した。藤田市長は五十嵐さんに辞令書を渡すと「お待ちしております」と満面の笑顔で歓迎した。また、職員から花束も贈られた。
五十嵐さんは下条小、下条中、三条高校、青山学院大学を卒業して1981年(昭和56)に加茂市役所入庁。入庁から6年間、総務課主事を務め、さらに1995年(平成7)から昨年3月末に退職するまで23年間、ずっと総務課で、2008年(平成20)から総務課長に就いていた。
都合29年間、総務課に籍を置き、小池清彦前市長が在任した6期24年間、始まりから定年退職するまでずっと総務課で加茂市政を支えた。加茂市は財政の立て直しや近隣自治体との関係改善が急務とされる今、加茂市政を中枢から見詰めてきた五十嵐さんのもつ情報や経験は余人をもって替えがたく、藤田市長は4月22日の市長選前から当選したら五十嵐さんに副市長就任を依頼したいと伝えていた。
4月30日に藤田市長は後援会関係者と一緒に五十嵐さんを訪問して副市長就任を要請。五十嵐さんは家族とも相談し、就任を決断、了承した。
五十嵐さんは定年退職してから地元加茂市の新潟経営大学の社会人特待制度で観光経営学科の3年次に編入していたが、この日に退学した。新潟経営大での学生生活は「夢のような1年2カ月だった」と振り返り、青学時代よりもずっと勉強していたと言うが、退学してでも副市長を受けたことについて「これからいろんな手を打って前へ進んでいかなければならないときに、少しでも新市長のお手伝いができれば」と話した。
今度は副市長として、防災、財政、組織などに取り組み、「情報を共有するような組織体制づくりが大切と思っている」とすでに構想を描いている。
(佐藤)