新潟県三条市本町2、真宗大谷派三条別院は5月26日(日)午後2時から本堂で三条別院公開講座を開き、評論家の芹沢俊介さんを講師に「親鸞で考える相模原障害者殺傷事件」のテーマで聞く。
講演テーマの相模原障害者殺傷事件は、2016年に神奈川県立の知的障害者福祉施設で起きた。元施設職員の男が施設に侵入し、刃物で入所者19人を刺殺し、入所者と職員26人にけがをさせた大量殺人事件。男は障害者の生きる価値を否定した。
芹沢さんは1942年東京生まれ。評論家。上智大学経済学部卒業。1982年『「イエスの方舟」論』(現在・ちくま文庫)で注目を集め、以後、家族、暴力、宗教、ひきこもりなどをテーマに批評活動を続ける。著書は『若者はなぜ殺すのか-アキハバラ事件が語るもの』(小学館新書)、『「存在論的ひきこもり」論―わたしは「私」のために引きこもる』(雲母書房)、『家族という意志??よるべなき時代を生きる』(岩波新書)、『宿業の思想を超えて吉本隆明の親鷺』(批評社サイコ・クリティーク)、『子どものための親子論 -〈親子になる〉という視点-』(明石書店)など数多い。
相模原障害者殺傷事件直後の17年に発行された『親鷺で考える相模原殺傷事件』(東京教区東京1組教化委員会編)を受け、さらに現在にいたるまで考え続けていることを中心に芹沢さんから話を聞く。
三条別院は「地域に開かれた別院」を目指し、現代の間題や課題と仏教についての公開講座を年1回開いている。宗祖親鸞は「善悪の字しりがおは おおそらごとのかたちなり」と言う。現代は善悪では割り切れない問題があふれている。寺という場所でさまざまな問題を仏教を手がかりに、ともに考える。
東京教区で芹沢さんの講演を企画した台東区・圓照寺の花園一実さんは「あの事件の問題性に真正面から応えていけるのは、親鸞の教学しかない」と話している。福祉施設で働く人や教育者など幅広く聴講を呼びかけている。入場無料。問い合わせは三条別院(電話:0256-33-0007)へ。
(佐藤)