三条市は出水期に入り、ことしも防災気象アドバイザー1人を採用した。災害発生時の判断や防災気象情報の読み解き方の指導を行い、地域防災力の向上に取り組んでいく。
1日に着任した3代目の防災気象アドバイザーは、燕市内の企業や新潟気象台にも勤務経験のある新潟市出身の内藤雅孝さん(63)。任期は、出水期の6月から9月までの4カ月間。
三条市は2016年に、気象庁の「気象予報士等を活用した地方公共団体における気象情報活用支援モデル事業」として防災気象アドバイザーの派遣を受けた。その年に発生した土砂災害による避難準備情報発令時などの気象の分析などは経験者でなければできない発想で心強いパートナーだったと、これまでに国定勇人市長は話しており、一昨年、昨年に続いて3回目の新たな三条市防災気象アドバイザーの採用となった。
着任した内藤さんは、東京の大学を卒業後、亀田製菓に入社し、東京都内で勤務。その後、燕市法花堂にも支店をもつ佐藤商事の東京本社で鉄鋼商社マンとして勤務するなか、2000年ころに気象予報士の資格を取得した。
2002年ころに新潟に戻り、いくつかの職業を経験した後2014年から2016年まで新潟地方気象台の観測予報課に勤務。あわせて日本気象予報士会新潟支部の設立にも関わり、その活動の一環で予報士の有志でつくる新潟災害気象防災研究会の代表を務める。
内藤さんは、自分の知識を社会に役立てたい、また、さらなる勉強にと2年前に防災気象アドバイザーの研修を受けて公募に応募した。気象台の先輩から防災は重い職業と聞いたと話し、天気のアドバイスにしても見落としがあっては大変なことになることなどからも「最も真剣にやらなければならない仕事だと思っている」。「しっかりとデータを確認して、データが何を意味するか理解し、できるだけ正確に伝えていきたい」と抱負を述べた。
また、三条市は防災の考え方が進んでいるとして、緊張感ももつなかで「少し楽しみです」とも話していた。
内藤さんは、任期中は三条市内のアパートに住み、行政課に常勤する。主な業務は、災害対策本部における避難情報の発令等に関するアドバイス、市職員に対する防災気象情報の読み解き方の指導、地域の気象災害に対する関心や知識を高めるための出前講座の実施など。
(坂井)