新潟市出身女性が国上山に開いた穂生窯でつくる国上焼 地場産センターで展示即売会 (2019.6.14)

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6月15(土)、16(日)の2日間、道の駅「燕三条地場産センター」(新潟県三条市須頃)で、燕市の国上山に開かれた「穂生窯(ほなりがま)」から生まれる「国上焼(くがみやき)」の展示販売会が開かれる。

国上山で穂生窯を開き国上焼をつくる井村さん
国上山で穂生窯を開き国上焼をつくる井村さん

穂生窯は国上山のふもと近く、乙子(おとこ)神社の前にある。開いたのは新潟市東区出身の陶芸家、井村詩帆さん(32)。子どものころからものづくりが好きで、農家の祖母の仕事を手伝って土が好きになった。両方を組み合わせれば焼き物ができるという発想から、姉の勧めもあって高校を卒業すると栃木県の窯業技術支援センターで3年間、名産の益子焼を学んだ。

沖縄県読谷村の読谷山焼北窯で生まれる焼き物の力強さや制作のプロセスに魅せられ、弟子入りを志願。最初は断られたが、粘り強く頼んで受け入れてもらった。はじめからいずれは新潟に戻って窯を開こうという思いがあった。読谷山焼北窯は10年続けようと思っていたが、30歳の節目で新潟へ帰ろうと思い立ち、8年間で修行を終わり、新潟で窯を開く場所を探した。

井村さんの作品
井村さんの作品

窯から出る煙の問題もあり、適地を求めて1年間、県内各地を回って探した。燕市役所をたずねて国上山の土地を紹介してもらった。かつて集落があった場所なので宅地登録されている。となりの土地にはアースバックドームが建つ子どもとおとなが遊べる共有基地「Free Art Field」があり、木々に囲まれたスペースは別世界のような空間だ。

約660平方メートルの土地を借り、借金をして木造平屋建て約40平方メートルの工房が昨年9月に完成した。その2カ月後に井村さんが自分でれんがを組むなどした窯が完成。ことし1月に初めて窯をたき、4月21日には近所の人や協力してくれた人を招いて窯開きを行った。沖縄で知り合った京都出身の女性とふたりで作陶している。

井村さんがほぼ手作りした窯
井村さんがほぼ手作りした窯

土は阿賀野市で採取される安田瓦の土を使い、滋賀県の信楽焼(しがらきやき)の土も混ぜる。表面を覆う釉薬(ゆうやく)は県産のもみ殻や石灰を使う。

読谷山焼北窯と同様にろくろはモーターではなく、足で蹴って回す「蹴りろくろ」を使う。窯はガスや電気ではなく薪(まき)を使う。焼き上がるまで窯のそばを離れることができず、手間がかかるが、「それがやりたかった。やっぱりその違いがあらわれると思う」と井村さん言う。

工房の前で井村さん
工房の前で井村さん

これまでに6回、窯をたいた。1回でも大量の薪が必要になるが、地元の人たちが薪を分けてくれ、まだ一度も買っていない。国上山に落ち着いたことについて井村さんは「すごくやりやすい。田舎に入っていくのは大変かと思いましたが、地元の皆さんがすごく良くしてもらっている。助けてもらって、ここでやって良かったと思っています」。

燕三条地場産センターでは、力を入れている土瓶7,000円をはじめ、マグカップ2,500円、皿2,000円、つぼ700円など、日常使いできる作品を販売する。「あまり自分を出したくない。ただ生まれる。何となく日常で使える、料理が主役になり、受け止める器が地味ですが地味なりに良さがあると思っています」と話す。その思いは晩年を国上山で過ごした越後の禅僧、良寛とどこか重なるようだ。展示即売会に関する問い合わせは燕三条地場産業振興センター(電話:0256-32-2311)へ。

(佐藤)


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