第12回三条クラフトフェアin槻の森が15日、三条市・槻の森運動公園で開かれ、180余りのクラフト作家の作品を楽しみに昨年より1万人減の約1万5千人(主催者発表)が訪れた。渋滞緩和策で会場駐車場の利用を禁止してシャトルバスを運行、2日間の開催予定だったが翌16日は強風の悪天候予報で中止を決めるなど、これまでにないクラフトフェアとなった。
くもり空の初日。会場の芝生広場には、昨年と同じように北海道から九州まで全国から厳選されたクラフト作家のテントが並んだ。来場者数は減少したものの、訪れた人たちはゆったりとした会場を巡り、作家との会話も楽しみながらお気に入りを見つけ、買物や体験などを楽しんでいた。
2日目は強風と雨の予報で安全面から中止したが、この日も平均で5m/sから6m/s余りの風が吹いていた。強い風でテントが飛ばされないようにと、買物をしていた来場者が出店者といっしょになってテントの枠を押さえる場面もあちこちであったり、テントをたたんで風対策をする出店者もいた。
今回、周辺道路の渋滞緩和策として初めて会場駐車場の利用を禁止し、会場への乗り入れには市内3カ所から無料のシャトルバスを運行した。市のマイクロバスから大型観光バスなど大小のシャトルバスは、ほぼ満員の来場者を乗せて会場に到着。課題だった会場周辺道路の渋滞はほとんどなかったようで、渋滞緩和には役だったが、一方で会場発のシャトルバス乗り場は、時間帯によっては100人以上が並び、1時間余り待つこともあった。
シャトルバスについては、「乗ってしまえば渋滞もなく快適だった」と肯定する声のほか、会場の誘導員に聞いて初めて駐車場がないことを知った人も多く、戸惑いや不満の声も少なくなかった。自家用車で来られない影響か、例年に比べて、子どもとイヌを連れた人は少なかったと話す関係者もいた。
第1回目から欠かさず来場しているという新潟市の女性は、これまで自家用車で会場まで訪れており、初めてのシャトルバスについては一定の理解を示しながらも「不便ですね」。乗り場の市役所駐車場に入るまでに渋滞し、バスに乗るのに並び、さらに東三条経由で、入場するまでかなりの時間がかかった。帰りのバスを待つ今も50分ほど並んでいると話したが、同フェアの魅力は「ほかにはない自分だけの物をさがせる」、「入場無料もありがたい」、「今回もいい買い物ができました」と満足の笑顔だった。
三条クラフトフェア実行委員会の高橋宏明実行委員長は、急な中止となり残念だったが、出店者や来場者の理解に感謝した。また、ことしの来場者の減少については、会場駐車場を無くしたシャトルバスの運行の影響は大きいと思うと話し、反省会などで意見を聴きながら、次回は周知を徹底するなど、よりよくなっていくように改善していきたいとした。
さらに、16日に会場で片づけ作業をしていると、中止を知らずに訪れる人も多く、同実行委員で説明して対応した。今回のように予定を変更する場合の対応も今後、考えていくとした。
(坂井)