新潟県立三条高校美術部OB会有志による師弟展「三条高校美術部『堀田正(ほりた ただし)と教え子たち』学び舎から」が7月13日(土)から21日(日)まで長岡市の美術用品販売店「アート四季」(城内町3-2-2)で開かれる。10年にわたり三条高校美術部で部員を育てた見附市の彫塑家、堀田正さん(71)と女性3人の教え子の作品が展示される。
4人が10点ずつの合わせて40点を展示する。堀田さんは新潟大学教育学部を卒業し、十日町高校、長岡高校、三条高校に勤務して美術を教え、2008年に定年退職すると長岡造形大学非常勤講師・特任教授、14年から長岡市の専門学校北陸学園の講師を務める。
一方で1968年に日展に初入選し、72年に全国県展選抜展で文部科学大臣賞を受け、昨年は紺綬褒章を受けた。日本美術家連盟会員、新潟展委員、新潟県美術家連盟参事に就く。
主催するOB会の代表は今回、作品を出展する教え子3人のうちのひとり、燕市に住む燕市職員の松井寿子(まつい ひさこ)さん(34)で、日本画を描く。三条高校から筑波大学大学院へ進み、日本画を専攻。大学卒業制作では筑波大学芸術賞を受賞。2011年燕市展で最高賞の市展賞、15年の新潟県展で新潟日報美術振興賞を受け、燕市展会員にもなった。
ほかの2人は、松井さんの後輩でいずれも三条市出身の坂井友美(さかい ともみ)さんと渡辺葉月(わたなべ はづき)さん。坂井さんは長岡市に住み、アクリル画を描く。2007年に三条高、11年に長岡造形大を卒業。松井さんとは教育実習生として一緒になったことがある。
渡辺さんは東京都に住み、鍛金を手掛ける。10年に三条高、16年に長岡造形大大学院修士課程を修了。17年に初個展を開き、18年に東京芸大大学院修士課程を終了し、修了作品は台東区長奨励賞を受賞し、作家活動を続けている。長岡造形大でも堀田さんの指導を受けた。
堀田さんが定年退職してから毎年、三条高美術部OB会として堀田さんの自宅で新年会を開いている。多い年は10人以上が集まる。堀田さんの教え子たちの交流が世代を超えて広がった。その場で昨年、堀田さんが紺綬褒章を受けたのを機に堀田さんの個展の話がもちあがったが、せっかくなら教え子と一緒に展示できたらという堀田さんの思いを受け、近くに住んでいる、堀田さんとつながりが深かった3人の教え子と師弟展を開くことになった。
松井さんは月1回、見附市で開かれているサークルのデッサン会に堀田さんとともに参加している。松井さんは「先生は厳しくて当時は怖かったけど、先生のおかげて行きたい進路が決められた」と言う。しかしこれは実は堀田さんの言い分であると同時に松井さんの本心でもあることを明かす。「大学受験は実技がメーンで、堀田さんの厳しい実技指導のおかげで今も創作活動を続けられている」と堀田さんには感謝しかない。
師弟展では「先生が声をかけてくれたのがうれしい」と喜ぶ。自身が出展する10点のうち半分は今回に向けた作品で、「励みになりつつプレシャーでもあります」と言い、「間に合うかどうか…」と笑った。
会期中は毎日午前10時から午後6時まで開場。初日13日は午後4時から会場でレセプションパーティーが開かれ、会費500円で誰でも参加できる。
(佐藤)