三条市は23日、ことしも7.13水害を教訓にした三条市水害対応マニュアルに基づいて水害対応総合防災訓練を行った。関係機関や市民など約2,600人が参加し、公助、共助、自助とそれぞれの立場で水害の備えを行った。
まもなく15年となる2004年の平成16年新潟・福島豪雨災害で五十嵐川の堤防が決壊した7.13水害の翌年から毎年、行っている。消防を含む市職員、消防団、自治会・自主防災組織、民生委員、市民、中学校生徒、国、県、三条署、ライフライン関係機関、介護サービス事業所など幅広い団体が参加。
訓練は午前7時にスタート。これまでと同様に災害の発生や場所、規模を事前に知らせず、随時、出される情報によって対応を行うブラインド式。
公助の立場の行政は、災害対策本部・支部の設置、情報伝達、避難所設置、水防活動などの訓練。自助・共助では、市民の避難訓練、災害時要援護者の避難支援訓練、自治会や自主防災組織や民生委員及び関係機関などと市との情報伝達訓練などを行った。
市役所では、国定勇人市長が本部長の災害対策本部を設置し、降雨情報、土砂災害の予想、五十嵐川、信濃川、刈谷田川の水位上昇、笠堀ダムや刈谷田川ダムの状況など次々と伝えられる状況に応じて、対象地域に避難準備・高齢者等避難開始、避難指示、避難勧告を発令。各支部もその状況に応じて対応していった。
梅雨らしい曇り空の下、三条防災ステーションでは、消防職団員と災害協力事業所が土のう積みや水防活動の訓練を行い、訓練場を訪れた国定市長は、「とりわけ三条は水害の発生をする可能性が高い地域だと、あらためて今日の訓練を機に心にとどめて頂き、いつ何時発生するかわからない災害に備えて頂きたい」と訓示を述べた。
また、一昨年から、中学生ボランティアの参加も行われており、各中学校によってさまざまな方法をとっている。第四中学校では、この日を「四中校区合同防災訓練」にあて、同中学校区の四中、井栗小、保内小、旭小の小学1年生から中学3年生全員が参加。校区内の5カ所に設置された最寄の避難所に避難する訓練などを行った。
第四中学校の避難所には、小学生約80人と中学生約60人の計約140人が避難。毎年、作っている小中学生混合の12の班に分かれ、自己紹介を行ってメンバーを確認し、点呼をとる訓練を行い、避難所の備品の確認や災害時の備えなどを学習した。
同校は、2012年度に新潟県防災教育プログラム洪水編のモデル実践校の指定を受けたことをきっかけに13年に地域ぐるみの避難訓練を行い、14年から校区内の3つの小学校とともに取り組んでいる。さらに、中学3年生は、外部指導者から防災に関する講習を受け、地域と小中学生をつなぐ役目を担う「四中レスキュー」の一員として、小学5、6年生と中学2年生に防災技能指導をしている。
この日は、三条市消防本部から講習を受けた3年生が、救助の必要のある人を1人で、または2人で1人を運ぶ方法を中学2年生、小学5年生と6年生にレクチャーし、実践した。
(坂井)