イケメン官能絵巻の現状変更の可否は結論出ずまさかの持ち越し (2019.7.13)

取材依頼・情報提供はこちら

新潟県燕市国上の国上寺(こくじょうじ)(山田光哲住職・燕市国上)が燕市文化財に指定されている本堂の外壁に今春、絵画作品「イケメン官能絵巻」を設置したことに伴う現状変更許可申請を提出したのに伴い、燕市教育委員会は7月12日開かれた燕市文化財調査審議会に諮問した。委員の意見は賛否がわかれてまとまらず、結論は次回の審議会に持ち越しに。主観が判断を大きく左右する問題の難しさが浮き彫りになり、あらためて文化財の価値を考えさせられる場にもなった。

遠藤教育長(右)から幸田燕市文化財調査審議会委員長に国上寺本堂の現状変更についての諮問書を手渡す
遠藤教育長(右)から幸田燕市文化財調査審議会委員長に国上寺本堂の現状変更についての諮問書を手渡す

イケメン官能絵巻は日本画を描く木村了子(きむら りょうこ)氏を制作を依頼し、4月19日から無料公開している。作品は国上寺にゆかりのある上杉謙信、源義経、弁慶、良寛、酒呑童子が全裸に近い姿で露天風呂につかったり、竜に乗ったりする姿を描き、本堂の四方の壁の外側に設置した。

本堂は昭和53年(1978)に「国上寺本堂 附境内地」として旧分水町の文化財に指定され、分水町が燕市に合併すると燕市の文化財に移行した。文化財を現状変更する場合は現状変更許可申請書を提出する必要がある。市教委は再三、口頭で申請を求めたが国上寺が応じなかったため、6月14日付けで国上寺に対し行政指導の文書を出した。

6月21日の市議会でイケメン官能絵巻を批判、現状回復などを求める一般質問があると、国上寺が申請書を提出したことから、遠藤浩教育長から燕市文化財調査審議会に現状変更について諮問したもの。市教委ではイケメン官能絵巻が児童生徒には不適切として市内小学校に遠足などで本堂の方へ行かないよう校長に指示しているが、諮問では不適切かどうかや作品の良しあし、作品を木ねじで固定した行為が文化財の棄損に当たるかどうかなどは協議せず、あくまでも現状変更を認めるかどうかの1点を協議した。

遠藤教育長
遠藤教育長

委員7人のうち6人が出席。先に委員で国上寺の現場を見学してから燕市中央公民館で審議会を開き、遠藤教育長は新潟県展参事の幸田顕委員長に諮問書を手渡し、「忌憚(きたん)のないご意見をいただくことをお願いする」と求めた。

審議会は非公開で行われ、約2時間にも及んだが、委員からは賛否両論があって意見を集約できなかった。これまでは全会一致を原則としてきたこともあったからか、結論は次回に持ち越すことになった。翌週か翌々週にもう一度、審議会を開いて協議する。

幸田委員長は報道関係者の質問に「具体的なことはきょうの段階ではお話できない。ご理解いただきたい」、「現在の形をいったいどう考えたらいいかを十分に次の会議で相談したい。きょうの段階では答申書は出せない」と述べた。

国上寺を見学した個人としての感想は、「歴史のある国上寺の由緒ある環境を拝見し、伝統のある建物だとあらためて感じた」、「今までのスタイルのところにああいう形のものがついたということは正直言って、大きく変わった。それがいいかどうかは別として」。

幸田委員長
幸田委員長

見学したときは山田住職は不在で、代わりに職員から話を聞き、「大変、経営上、厳しいと、いろいろそういった点で大変なんですよという話は強調されていた」とも話した。

次の審議会で答申書が出れば7月30日に予定している定例の教育委員会ではかる。市教委の石田進一社会教育課長は「国上寺は燕市の宝物と考えているので、私どもとしては今の姿で後世に引き継いでいきたい」と話した。

(佐藤)


spacer コンテンツ
spacer ショップ検索

公共施設も検索可能
分類別検索はここ

...詳細


燕三条のお悔やみ情報「縁をむすぶ」
三条パール金属スタジアム・サンファーム三条
外山産業グループ 外山産業、外山工業、グリーンライフ、メッツ
損害保険・生命保険・資産運用のことなら株式会社エフピーエム
スノーピーク オフィシャルサイト アウトドア/ナチュラルライフスタイル用品 製品 製造・販売メーカー
スポンサードリンク

■Copyright (C) kenoh.com Allrights Reserved.
三条・燕、県央の情報「ケンオー・ドットコム」kenoh.com