外務省が2018年6月21日にイギリス・ロンドンに設置した「ジャパン・ハウス ロンドン」は、ジャパン・ハウス ロンドンをほかの地域へ発信するプロモーション動画を制作するため、オープニング企画展で取り上げた金属加工を中心としたものづくり産業の集積地、新潟県の燕三条地域で7月30日から8月1日まで撮影を行っている。
ジャパン・ハウスは「世界を豊かにする日本」を海外へ発信する拠点。ブラジルのサンパウロ、アメリカのロサンゼルスに続いてロンドンで3カ所目の設置となった。ジャパン・ハウス ロンドンの初独自企画展「BIOLOGY OF METAL: METAL CRAFTSMANSHIP IN TSUBAME-SANJO|燕三条 金属の進化と分化」が昨年開かれ、燕三条地域の産業や「燕三条 工場の祭典」を取り上げた。
その企画展にかかわった職人や関係者に企画展に参加した感想やその後の反響などについてインタビューしてプロモーション動画を撮影することにした。出演者は燕三条地域の7社のそれぞれ代表者や企画展担当者ら7人。ことし秋に動画を完成させ、ウェブやSNSで公開し、7人を通してジャパン・ハウス ロンドンがどんなところかを知ってもらう。
ジャパン・ハウス ロンドン事務局からPR局長のカイリー・クラーク(Kylie Clark)さんが撮影チームとともに訪れ、初日30日は職人の手仕事にこだわって包丁などを製造するタダフサで、曽根忠幸代表取締役にインタビュー。あわせて動画に挿入する工場で作業する職人の姿なども撮影した。
クラークさんは「毎日、自分の家で使っているものが、こういう作り方がされていることを知らず、感動した。想像したより製造工程が複雑で大きな機械が多く、とてもおもしろい」と目を見張った。
クラークさんによるとジャパン・ハウス ロンドンは、オープンからことし7月11日までの1年ちょっとで約56万5千人の来館者があり、想定を大きく上回っていると言う。ことし秋にはイギリスの人気スポーツであるラグビーのW杯が日本で開かれ、1年後には東京で五輪・パラリンピックが開かれる。「この2つでジャパン・ハウス ロンドンはもっと注目を集めると思う」と予想する。
来館者は日本に相撲や芸者といったステレオタイプなイメージではなく、典型的な今の日本にふれようと訪れる人が多いと言う。必ずしも日本だからというわけではなく、多様なものにふれようと郊外から足を運ぶ人もいる。
再び燕三条地域を取り上げることについても前向きで、クラークさんは「今後も燕三条とはつながっていきたい。燕三条 工場の祭典も宣伝したい」と話した。タダフサ以外の出演者は次の通り。
【三条市】▲近藤一歳氏(近藤製作所)▲田斎道生氏(鑿鍛冶 田齋)▲水落良市氏(三条製作所)曽根忠幸氏(タダフサ)
【燕市】▲山田立氏(玉川堂、第6 回「燕三条 工場の祭典実行委員長」)▲武田修一氏(武田金型製作所)▲武田修美氏(MGNET)
(佐藤)