8月13日は墓参り。その前日の12日、新潟県三条市のJR北三条駅に近い中央市場で「盆市」とも呼ばれる二七の市が開かれ、ふだんのざっと5割増しの95店が出店して盆用品を求める買い物客でにぎわった。
出店数は、市場を運営する「親和会」出店34、農家の臨時出店51、それにミニマルシェ10の内訳。販売開始は午前6時と取り決めているが、少しでも涼しい時間に少しでもいい品物をと5時ごろから買い物客が増え、6時にはすでに人出はピークだった。
盆で取り扱いが多いのは、盆花と精霊棚に飾るミニ野菜。盆花は墓参りに欠かせず、1束数百円ていどから。ミニ野菜はマクラウリ、シロナス、トマト、ホオズキなど色とりどりだ。
皮ごと食べられて人気のブドウ、シャインマスカットは小売店な1房2,000円以上が当たり前だが、農家の直接販売なのでB級品も含め1房1,000円前後からあり、交渉しだいではさらなる値引きも期待できる。
果物はひところ品薄で値段も高めだったが、今は落ち着き、日照りで糖度も上がってお買い得が高い。ほかの商品も割安感があり、帰省客のもてなしで出費がかさむ家庭には願ってもない。
夏休みとあって出店者も買い物客も子どもや若い人が目立った。ふだんから出店している新潟市南区の旧白根の農家も、この日は家族総出で出店してミニ野菜を売り、市場はファミリーなほのぼのした雰囲気だった。
「いいにおいがするね」と買い物客は果物の香りにひかれ、「仏さまにあげるにはどれがいいかね」と出店者と相談し、アドバイスを受けて品定めしていた。墓参りの13日は午前5時半から10時まで盆花の臨時市が開かれる。
また、中央市場となりのまちなか交流広場「ステージえんがわ」内の三条スパイス研究所が二七の市にあわせて毎回、提供しているワンコイン500円の朝食「あさイチごはん」のこの日の献立は「くじら汁」や「いか大根」。午前7時から9時までの2時間に過去最多の185食を販売し、ピーク時は30分待ちも当たり前の大にぎわいだった。
ご飯に載せた「神楽南蛮味噌」の味が絶妙で、買って帰りたいとむずかる子どももいて、素直の反応がスタッフを喜ばせていた。