第10回記念全国女子硬式野球ユース大会の決勝が8月22日、埼玉県加須市・加須きずなスタジアムで行われ、福井県福井市の福井工業大学附属福井高校が初優勝を飾った。エースの2年相田千陽(あいだ・ちはる)投手(16)は、新潟県三条市曲渕の出身。22イニングを投げて無失点に封じ込め、優勝に大きく貢献した。
1、2年生が対象の高校女子軟式野球の全国大会で、3年生引退後のシーズン初めての新人戦の全国大会という位置付け。全国の女子硬式野球部のある高校のほとんど、32校が出場して競った。
決勝では、宮城県のクラーク記念国際高校仙台キャンパスと対戦し、最終7回を終わって0-0で延長に。9回裏に福井は1点を上げて1-0でサヨナラ勝ちし、2012年の創部以来、初めてのうれしい全国大会初優勝を勝ち取った。
優勝のまさに大黒柱となったのが相田さんだ。大会では1回戦6イニング、準々決勝で7イニング、決勝では延長を含む9イニングを投げ、22イニング無失点と大車輪の活躍だった。
相田さんは三条市の月岡小、本成寺中を卒業。月岡小時代は月岡少年野球に所属し、本成寺中では野球部に入部してエースで県大会ベスト8まで進んだ。同時に県央地域を拠点とする女子軟式野球チーム「県央BLジャイアンツ」にも所属。父の相田恒さん(52)は当時、月岡少年野球の監督、県央BLジャイアンツの監督も務めた。高校でも野球を続けようと福井工大福井に進学し、1年生からエースとして活躍している。
8月初めにかけて開かれた「女子の甲子園」とも呼ばれる第23回全国高等学校女子硬式野球選手権大会で初優勝した作新学院高校(栃木県宇都宮市)の二塁手、3年関桃子さん(17)は、同じ三条市出身で県央BLジャイアンツの1年先輩。それに続く相田さんの存在は三条市の女子野球界にとっては頼もしい。
中国で行われるU-18日本代表の最終戦の出場選手が、先に120人から40人にしぼられたなかに、関さんとともに相田さんも残っている。8月31日、9月1日に行われる最終選考で代表の20人が決まるが、2人の選出が期待される。