9月15日から11月30日までの77日間、初めて新潟県で開かれている「第34回国民文化祭・にいがた2019」と「第19回全国障害者芸術・文化祭にいがた大会」の開会式が9月16日、新潟市・朱鷺メッセで行われた。「文化の丁字路〜西と東が出会う新潟〜」の文化祭テーマにそって新潟の歴史や文化を各地の伝統文化をまじえた演出で華やかに幕を開け、三条市出身の全盲のシンガーソングライター佐藤ひらりさん(18)は両陛下が臨席されるなかで国歌斉唱の大役を務めた。
長岡市出身の女優、星野知子さんが総合司会を務め、太鼓芸能集団「鼓童」の「大太鼓」と新潟県合唱連盟による「越後の手まりうた」などのプロローグで始まり、式典、オープニングフェスティバル、エピローグと続いた。
オープニングフェスティバルは、元宝塚歌劇団の新潟市西区出身の越乃リュウさん、ダンスチーム「Chibi Unity」、新潟ろうあ万代太鼓「豊龍会」、舞踊団「Noism」などが出演。開閉会式総合プロデューサーを務める新潟市出身の作家、藤沢周さんが語り部として新潟の歴史を語りながら進行し、約3万年前に新潟に人が住みつき、信濃川流域で数多く出土している火えん形土器から少年が「文化の灯」を取り出して物語がスタートした。
「『西』からの文化の流入」として佐渡島に流された能役者で能作者「世阿弥(ぜあみ)」、越後の龍と呼ばれた戦国時代の武将「上杉謙信」について語り、柏崎市・柏崎市綾子舞保存振興会が「綾子舞」、妙高市・関山神社若者会が「仮山伏の棒遣い」、糸魚川市・能生白山神社楽人会が「能生白山神社の能楽」を披露した。
「『西及び東』との文化の往来」として越後の禅僧の良寛について語り、小千谷市・片貝伝統芸能保存会が「片貝の木遣り」、新潟市南区・角兵衛獅子保存会が「角兵衛獅子」、佐渡市・佐渡みどり会が「佐渡おけさ」を披露した。エピローグでは、オープニングフェスティバルの出演者があらためて演奏、演技を行って終わった。
佐藤ひらりさんは式典の皮切りの国歌斉唱を務めた。両陛下が映し出された大スクリーンの下で立って美しい歌声で斉唱をリードした。さらにエピローグでもキーボードの弾き語りでオリジナル曲の「みらい」と新曲「令和」を披露して満場の拍手を受けた。
良寛の紹介では、燕市分水良寛史料館に展示された良寛の遺墨や良寛ゆかりの紅葉に彩られた国上寺本堂の映像も流れた。来場した約1,800人はスケールの大きなオープニングに感動していた。
また、前日15日の開幕イベントで、14日から16日まで新潟市内各地で開かれた「にいがた総踊り」によるアトラクションも行われたが、にいがた総踊りには燕市粟生津地区の「風雅」をはじめ県央地域からも数多くの団体が出演して盛り上げていた。