新潟県燕三条地域の地場産業を産地問屋として支える地元卸商社をアピールする「燕三条トレードショウ 2019」が10月2日、燕三条地場産業振興センター(三条市須頃1)で開幕。過去最多の164社が出展して幅広い取り扱い商品を展示、紹介しており、2日は2,102人が来場した。
ことしで4年目になり、3日までの2日間の開催。関係者ら約100人が参集して行われたオープニングセレモニーで実行委員長の田野隆夫燕商工会議所会頭は、「最初のころは、おまえ、何やってんだという意見をたくさんいただいた。少しずつ趣旨が伝わっていき、自社製品をもつ地元メーカーの出展も少しずつ増えている」と喜んだ。ことしは中小企業庁から2千万円を超える補助金を受けることができ、「地方創生のために頑張っていると内閣も少しくらいは田舎のプロジェクトに目を向けてくれると非常に感銘を受けた」と感謝した。
来賓の中小企業庁事業環境部の奈須野太部長は祝辞で、東京や大阪で大規模なトレードショーが開催されるが、「地元の中小企業のもつ商品を示す機会は非常に重要」。国内は人口が減っているが世界では逆に増えており、「地域から世界に向けて発信することが中小企業の販路拡大に重要」とし、「この地でのトレードショウの開催をぜひ応援したい」と話した。
テープカットを行って開場した。ことしのメーンテーマは包丁。燕三条地域は兵庫県の関市、大阪府の堺市と並ぶ包丁の三大産地と呼ばれる。そのなかでも販売規模は燕三条が最大と見られ、28社が出展した包丁を一堂に集めて展示し、包丁研ぎの実演も行っている。
ことしはジェトロ(日本貿易振興機構)などに依頼して海外からのバイヤーの招待に力を入れた。参加を申し込んだバイヤーは、イギリス、ベルギー、オランダ、ポーランド、アメリカ、トルコ、マレーシア、ベトナム、南アフリカからの14社にも及び、その多くが包丁の買い付けをねらっている。
包丁バブルとも言われるほど、海外では品質の高い日本製の包丁に対する需要は依然として高い。前評判通り包丁コーナーは海外バイヤーの注目を集め、供給量に関する質問や、すぐに工場を見に行きたいという人もいて買い付け意欲満々だった。
燕市で製造されたことを認定する「メイド・イン・ツバメ」の認定を受けた製品の展示コーナーも設置。ソースで皿に絵を描くソースデコスプーンの実演やコーヒーメーカーをPRする試飲もあり、あの手この手でPRしている。
2日間で5,000人の来場者を目指している。初日の2,102人では目標達成は難しそうだが、昨年の3,856人は上回りそうだ。