新潟県燕三条地域の名だたる工場を開放する「燕三条 工場(こうば)の祭典」が10月3日、開幕した。過去最多の113のKOUBA(工場・耕場・購場)が参加し、6日までの4日間にわたってふだんは閉ざされている工場に招き入れて地場産業の魅力をアピールしている。
ことしの工場の祭典の実行委員長、斎藤和也さん(32)が働く金属加工業の有限会社ストカ(三条市北潟)で開会式を行った。あいさつで斎藤実行委員長は、地域の企業が手を取り合って工場を開放できるのは「燕三条地域だからこそできること」で、「この地域のつながり、連携の深さを体感してほしい」と求め、参加工場、地域、来場者のすべてにとって有意義な時間となることを願った。
テープカットのあと、恒例で斎藤実行委員長、プロデューサーの株式会社メソッド代表取締役・山田遊さん、国定勇人三条市長、鈴木力燕市長の4人が「開け、工場!」と声を合わせて工場のシャッターを上げて幕開きした。
続いて工場内を見学するとさっそく関東圏から自転車仲間6人のグループが訪れた。4日間にわたって訪問する工場の日程をびっしり決めてあり、張り切っていた。燕三条駅に開設した案内所には外国人もぽつぽつ訪れ、ラグビーW杯と工場の祭典を見に訪日したと話すイングランドの男性もいた。
工場の祭典はことしで7年目になった。全国各地で行われているオープンファクトリーイベントの先駆けのひとつであり、金属加工を中心とした地場産業の集積地とあって工場の数はもちろん、業種の多様さでも群を抜いている。2014年にグッドデザイン賞、2017年にドイツのレッド・ドット・デザイン賞、ことしもドイツの「ジャーマン デザイン アワード 2019」でウィナー賞を受賞するなど、他地域の手本ともなっている。
歩みを止めずに毎年、新しい挑戦に取り組んでいる。ことしは初めてオフィシャルブック(B5判・約360ページ・2,000円)を刊行した。
JR燕三条駅では4日間とも午前10時から午後6時まで1階コンコースにビニールハウスの骨組を設置してFACTORY FRONT STATIONを開催し、燕三条が再び新潟を訪れる入り口となるよう燕三条をはじめ県内20の企業の製品や食品を販売している。
また、三条ものづくり学校では1日遅れて4日から6日までの3日間、全国のものづくりの産地を集めた「産地の祭典」が開かれる。ことしは全国のオープンファクトリーが集結。東京都から大田区と墨田区、大阪府大阪市、福島県会津若松市、岐阜県から瑞浪市と関市、山梨県富士吉田市、京都府京都市が参加。ワークショップも用意しているほか、地元メーカーの出展や産地トークもある。