新潟県燕三条地域の工場など113拠点を開放して10月3日から6日まで開かれている「燕三条 工場の祭典」で、無形文化財の鎚起銅器の技を継承する「玉川堂」(燕市中央通2)は、工場見学とあわせて今回初めて特別展「職人たちの放課後」を開いている。
玉川堂の職人が、日常の仕事で作っている製品とは別に技術やデザインの勉強にと自主製作した作品14点を2階に展示。一部は販売もしている。
入社して初めて鍛金の練習に作った花瓶、明治の燕の大火の被災地から取り出した家具をイメージした作品、鋳造ではなく銀を溶かして塊をたたき延ばして地金にして成型した作品、真ちゅうを打ち上げて黒味銅を銀ろうで付着させた紋様。玉川堂の製品の裏側にある個々の職人のバックボーンや感性、情熱などを感じるとることができる。
玉川堂は6年前に工場の祭典が始まる以前から積極的に工場見学に取り組んでいる。工場の祭典ビギナーがまず立ち寄る見学先のひとつだが、一度は玉川堂を訪れた人もあらためて足を運んでほしい作品展だ。