新潟県三条市三条地区で10月11日、クマがカキの実を食べたあとが見つかった。三条地区でのクマの出没情報はこれで今年度3回目、秋になってからは初めてで、三条市は防災無線で放送するなどしてクマに注意を呼びかけている。
クマが現れたのは、三条パール金属スタジアムに近い月岡四丁目地内の集落内にある市立岡ノ町児童遊園地となりの岡村刃物の作業所裏のカキの木。3本の甘柿の木が並んであり、実が大きくなるようにそれぞれ25個ほどを枝に残し、ほかは間引いていた。
10日の仕事あがりに見たときは、実があるのを確認しているが、翌11日朝になって食べられたことに気づいた。3本のうち真ん中の1本はカキが3個だけ残り、ほかの2本は見事に1個残らず食べられてなくなっていた。
70個もカキを食べられたことになり、1頭の仕業ならその食欲にも驚かされる。幹の付け根から折れた枝もあり、近くにふんも残されていた。
11月に収穫するのを楽しみにしていた男性は「あーあ。こんなことになるとは思わんかった。毎年、近所の人におすそ分けしてたのに、ことしはもうだめ」とがっかりだ。
「色の付いたのを食って、くそまでして」と怒り心頭。「来年は場所を覚えてまた来ると言うし」と、文字通り味をしめたクマガ再び食べに来るのではと、今から心配している。
冬眠前のクマのえさとなるドングリは周期的に豊作と凶作を繰り返し、ことしは不作の年にあたった。そのため、早くからえさを求めてクマが里へ下りて来ることが心配されたが、その通りになっている。
三条市でのクマの出没情報のほとんどは山手の下田地区で、平場の三条地区での出没情報は2016年度以来3年ぶり。今年度の出没情報は下田地区で52件にのぼり、平場の三条地区では今回で3件目。三条地区では6月22日に如法寺で目撃情報、7月25日に月岡でふんが見つかっている。