4月20、21日の2日間、新潟県三条市で粟ヶ岳(1,293m)を舞台に開かれた2019スカイランナー・ワールド・シリーズの開幕戦で優勝した上田瑠偉選手(26)が10月19日、イタリア・ロンバルディア州のリモーネで開かれたシリーズ最終選手で優勝し、年間獲得ポイントでもトップとなり日本人として初のシリーズチャンピオン(年間チャンピオン)に輝く歴史的快挙を達成。2020シリーズも粟ヶ岳での開幕戦開催が決まっており、上田選手が世界チャンピオンとなって粟ヶ岳に帰って来てくれるはずだ。
スカイランナー・ワールド・シリーズは、山岳を駆け上がるタイムを競うスカイランニングの世界大会で、世界的な山岳スポーツの2大タイトルのひとつ。今シーズンは世界11カ国で16レースが開催され、選手は転戦してポイントを競った。粟ヶ岳では2016年から毎年「粟ヶ岳バーティカルキロメータ」が開かれていて、昨年は初めてスカイランニング日本選手権を兼ねて開かれ、国内のトップランナーが顔をそろた。
さらにことしはスカイランナー・ワールド・シリーズの開幕戦「粟ヶ岳スカイレース」が開かれた。106人が出場したこの大会で上田選手は優勝。上田選手は昨年7月に右前十字靭帯を損傷したが、粟ヶ岳で自身初のワールドシリーズでのタイトルを獲得した。
上田選手は6月にイタリアで開かれたリビーニョスカイマラソンでも2勝目を飾るなど順調にポイントを重ねて、リモーネでの最終戦を迎えた。上田選手を含むトップ5の獲得ポイント差はわずか。最終戦の結果がシリーズランキングを決定する状況になった。
序盤から攻めた上田選手は、最後までトップのままゴールした。その12秒後にそれまでシリーズランキング首位だったスペインのオリオル・カルドナ選手がゴール。その結果、上田選手は年間獲得ポイントでもトップとなり、日本人初のシリーズチャンピオンの栄誉に輝いた。
また、女子では高村貴子選手が最終戦で10位となり、年間獲得ポイントでは日本人選手最高位の12位となった。高村選手はことしの粟ヶ岳で女子3位となり、昨年の粟ヶ岳でのスカイランニング日本選手権では、男子は上田選手、女子は高村選手が優勝している。