11月1日から24日まで新潟県弥彦村の弥彦神社で開かれる「弥彦菊まつり」に向けて、宝物殿前にはことしも大風景花壇の設置が進んでいる。ことしは「御大礼」をテーマに10月22日行われた即位の礼をモチーフにしている。
弥彦菊まつりは、新潟県菊花連盟など主催の新潟県菊花展覧会で、一の鳥居から拝殿へ続く参道や境内に約4千鉢のキクが並ぶ。宝物殿前を飾るのが、幅15メートル、奥行き7メートルもある巨大な大風景花壇。全国の景勝地をキクで再現するが、ことしは例外的に景勝地ではなく、天皇陛下即位を奉祝して即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀が行われた皇居宮殿を再現する。
中央奥に宮殿を配置し、その前に色とりどりの華やかな錦の幡(ばん)を立てる。幡は弥彦神社の林務営繕課などで自前で製作。専門業者にあつらえたかのように美しい細工が施されている。
例年は全体で山などを表現しているが、今回は宮殿以外には再現する具体的なものがない。そこで絵巻に描かれているかすみのような描写をイメージし、宮殿の左右を階段状にして小さな花で飾ることにした。全体で挿し芽の数は3万本にものぼると言う。
次の週末で左右の手前の空いているスペースを鉢で埋めれば完成。まだ未完成だが、22日は大風景花壇の前に立って記念撮影する参拝客が切れ目なかった。キクはまだほとんどがつぼみで、会期中に見ごろを迎える。