新潟県の燕市に合併する前の旧吉田町で、1991年に吉田拓郎さんに作詞作曲を依頼して生まれた『吉田町の唄』を歌い継いでいってもらおうと10月26日(土)午後1時から燕市役所つばめホールで「吉田町の唄コンサート2019」が開かれ、吉田拓郎さんにゆかりの常富喜雄さんをスペシャルゲストに迎える。
常富さんは、カレッジフォークの「ザ・リガニーズ」のあとフォークバンド「猫」を結成。初期の吉田拓郎さんのバックバンドを務めている。今もライブ活動を続けており、今回は近年、共演している女性シンガーソングライターいわさききょうこさんとともに演奏する。
それに先だって地元の「矢代秀晴 & South Hills」がオープニングアクトを担当。コンサートの最後は企画した地元の会社社長富所寧さん(62)も加わり、『吉田町の唄』を来場者と一緒に合唱する。
1989年の竹下内閣のふるさと創生事業で円ずつ配布したころ、旧吉田町では一般関係予算の1%、7,000万円で若者にイベントを委託し、長期的に人材を育成しようと、実施主体として吉田町若者共和国を90年に発足した。吉田町という名前にかけて当時、全国に6つあった吉田町の共通の願いということで、吉田拓郎さんに『吉田町の唄』の制作を依頼した。
91年に『吉田町の唄』の完成披露の意味も込めて今の吉田ふれあい広場で「BIGCAN」と銘打ったコンサートを開き、吉田拓郎さんの出演はかなわなかったが、吉田拓郎さんらとフォーライフレコードを設立、社長に就いたシンガーソングライター小室等さんが出演してくれた。
『吉田町の唄』を歌い継いでいこうと、2013年にも富所さんの企画で燕市役所で小室等さんをゲストにコンサートを開き、それから6年になる。
富所さんは吉田町若者共和国の外務大臣で、のちに副大統領となった。吉田拓郎さんも参加して山梨県の山中湖にある音楽スタジオで行われたレコーディングに見学に出かけ、富所さんは自身が所有するアコースティックギター、ギブソンのJ45に吉田拓郎さんからサインしてもらった。コンサートではその記念のギターを弾く。
富所さんは60歳を過ぎ、「いろいろな役職を終わって時間ができた」のがきっかけで、再びコンサートを企画。10年以上前から親しくしている常富さんに出演を依頼し、快諾してもらった。「入場無料なので気軽に足を運んでほしい」と富所さんは来場を待っている。問い合わせは実行委員会(電話:090-2973-3836)へ。