新潟県警燕署は10月29日、新潟大学交通安全サポーター「NUTS」と連携した高齢者交通安全教室を初めて燕市を会場に開き、燕市老人クラブ連合会が募った高齢者46人が参加して体と頭を使って交通安全を楽しく学んでもらった。
NUTSは村山敏夫准教授を中心に高齢者と直接、かかわりながら交通安全の普及を図っているグループで、2016年から活動している。県警はNUTSと連携して県内各地で高齢者交通安全教室を開いており、今年度は15回の開催を計画しているが、燕市では今回が初めての開催だった。
燕市老人集会所が会場で、歩行環境シミュレーター「わたりジョーズ君」が使った道路横断体験、NUTSによる身体機能の測定、夜間の安全に効果的な反射材の効果と活用方法の講義などを行った。
歩行環境シミュレーターでは、映像に映し出された横断歩道を左右の車を確認して渡るというもの。要領がよくわからず、車とぶつかってしまう人もいたが、「大丈夫、大丈夫!」、「もう少し!」と声援も受けてゲーム感覚でチャレンジした。
横断歩道に人が立っていたら車は停止しなければならないが、映像の車はびゅんびゅんと目の前を通過し、83歳の男性は「みんな交通違反している」と納得できないようすだったが、「交通安全を自分に言い聞かせるだけで、ここに来てる意味はある」と話した。
シミュレーターは左右を確認した回数、角度、時間を記録するので、体験後は一人ひとりに記録を元に左右確認の問題点や改善方法をアドバイスした。
NUTSは4人のメンバーが参加し、いすから立ち上がる動作でパワーや反応速度の身体機能を測定した。ここで取ったデータは歩行環境シミュレーターの結果にもひもづけされ、あとで歩道を渡る動作と身体機能の相関性の分析にも生かされる。
72歳の女性は「免許の書き換えのときにこんなのしない。この次は認知症のテストら」と笑い「思ったよりできなかった。運動不足がよくわかった」と自分の身体能力に対する認識をあらためていた。