真宗大谷派三条別院(森田成美輪番・新潟県三条市本町2)で11月5日、宗祖親鸞(しんらん)の祥月命日に向けた法要、お取り越し報恩講(ほうおんこう)が始まった。8日まで4日間にわたって晨朝(じんじょう)、日中、逮夜と日に3回の法要が営まれている。
昔からお取り越しは荒れると言われ、雪やあられが降る年もあるが、初日5日はさわやかな秋晴れに恵まれた。午前11時から行われた皮切りの音楽法要では、僧職や門約100人で編成するコーラス隊が仏教讃歌を歌い、約500人の門徒が参拝に訪れた。
一方、三条別院へと続く本寺小路や周辺道路では、5、6日の2日間、お取り越し臨時露店市場が開かれている。年々、出店は減っており、ここ数年は前年を下回り続け、ことしは昨年の25店から一気に9店も減って16店になった。
10年近く前までは60店前後もの出店があった。お取り越しの臨時市といえば植木の出店が多いのが特徴だったが、2013年から植木の出店がゼロになった。それまで臨時市は報恩講初日から3日間の開設だったが、2017年から2日間に減った。家族で三条別院にお参りして植木を買って帰るという風物詩は消え、臨時市の開設すら危ぶまれる状況になっているのは、昔のにぎわいを知る人には寂しい限りだ。