11月9日から15日までの秋季全国火災予防運動にあわせて11月10日、新潟県燕市で燕市消防団(山崎登美雄団長)の女性団員、高齢者の総合相談窓口の地域包括支援センター職員、消防本部職員が一緒になってひとり暮らしの高齢者宅を訪問し、防火指導を行った。
県内では新しい取り組み。女性消防団員ならではの細かな気配りやソフトな対応と、高齢者の総合的な支援を行う包括支援センターの専門性をあわせ、高齢者の日ごろからの不安や疑問にこたえながら火災報知器の設置や火の取り扱いを確認し、住宅火災の未然防止を図ろうと実施した。
女性消防団員32人、地域包括支援センター職員7人、消防職員17人が参加して燕地区6、吉田地区10、分水地区13の計29地区で行い、地域包括支援センター職員は一部の地区で同行した。
女性消防団員は防火指導を実施。住宅用火災警報器設置有無の確認、火気使用設備の注意喚起、警備会社や緊急通報システムの契約状況、消火器の有無の確認などを行った。
燕市消防団女性部(氏田昌子部長・部員48人)は、旧燕市で1996年に県央地区で初めて旧燕市消防団で発足し、2000年に旧分水町消防団で発足。合併で06年に燕市消防団が再編成され、07年に新たに燕市消防団女性部「燕さくらファイヤーズ」が誕生して今に至る。2020年4月1日には組織改編して女性分団に格上げを予定している。
以前にも女性団員による高齢者宅の訪問は行ったことはあるが、地域包括支援センターと連携したのは初めてで、県内でも新しい取り組み。午前9時から正午まで行う計画だったが、留守宅が多く予定より早い午前11時ごろに回り終わった。
ほとんどの家が火災報知器を設置しており、消火器を設置している家も多く、火災の心配がある反射式ストーブはほとんど使われていなかった。電気を使うIHクッキングヒーターの普及が進んでいるが、高齢者宅では百パーセントと言っていいほどガスコンロを使っていたので、近くに燃えるものを置かないなど注意するよう求めた。
参加した女性団員の大島克美さん(51)は、入団から10年になる。ほとんどの家が火災報知器を設置しており、消火器を設置している家も多かった。「ストーブから火が出て消防車が来たと言う人もいて、いろいろな話題に広がって話が盛り上がりました」と大島さん。「コンロはIHじゃなくて百パーセントガスだったので、コンロから離れるときはすぐ消してくださいね、ストーブの近くにあまり燃えやすいものを置かないようにとお願いしました」と話した。
また、地域包括支援センター職員が訪問しても玄関を開けてくれない人もいるが、それと比べると女性消防団員は歓迎してくれ、地域包括支援センター職員の相談もスムーズにいくと話す関係者もいた。