夢や目標の実現に向けてチャレンジする青少年の活動費を助成する新潟県燕市の「羽ばたけつばくろ応援事業」に採用された新潟県立吉田高校(小竹聖一校長・燕市吉田東町)の生徒有志は、地元菓子店と共同して和菓子を考案し、高校生のイベントで展示販売した。
先生が提案したプロジェクトで、手を上げたいずれも2年生で仲良しの赤塚小也夏(さやか)さん=燕市=と大塚紅亜(くれあ)さん=弥彦村=が、絵のうまい西海持諒(まこと)さん=燕市=を誘って3人で取り組んだ。
菓子の名は「いろは−彩葉−」。燕市吉田上町の和菓子店「米納津屋」(梨本義博代表取締役)が製造を担当した。上からカステラ、栗ようかん、カステラの3層になった和菓子で、上のカステラは黄色でイネが実った黄金色の田んぼ、下のカステラは緑色で田植え後の田んぼをイメージ。その間に白あんも混ぜた秋の食材のクリの入ったようかんをはさんだ。
カステラの材料には燕市がプロ野球東京ヤクルトスワローズとコラボレーションしたコメ「つば九郎米」も使い、上のカステラには米納津屋が持っている鳥のツバメの焼き印を入れて燕市をアピールしている。
この菓子で10月26、27日の2日間、新潟市中央区・朱鷺メッセで開かれた第29回全国産業教育フェア新潟大会「さんフェア新潟2019」に参加した。全国から専門高校などで学ぶ高校生が参加し、実習などで制作した作品、製品、生産物、実習取扱商品など展示販売する大会。吉田高校生徒は「全国高校生デパート」イベントの家庭部で販売した。西海持さんが中心になって制作したポスターを会場に掲示した。
一連のプロジェクトで、羽ばたけつばくろ応援事業に採用され、5万5000円の補助金の交付を受けたことから11月15日、3人のうち赤塚さんと大塚さんが燕市役所を訪れ、鈴木力市長を表敬訪問した。さっそく鈴木市長も試食し、味に太鼓判。昨年秋に燕市でロケが行われたTBS日曜劇場「下町ロケット」の第1話に米納津屋の菓子が登場したエピソードも紹介した。
5月ごろからプロジェクトに取り組み、日持ちして色で表現できるものをとカステラを選んだ。味にもこだわり、試作を数回、繰り替えした。最初は甘過ぎたので、甘さを控えて誰でも食べやすいおやつ感覚になるよう工夫したと言う。
「さんフェア新潟2019」では1個200円で2日間で400個を販売した。赤塚さんは「希望した通りに作ってもらった。全部、売れて良かった」、大塚さんは「売り切らなければと声を大きく上げたり、ちらしを渡したりした」とほっとしていた。
米納津屋の梨本さんは「ようかんが多いと重くなり、少ないと味が足りなくなり、バランスが難しかった。高校生に甘過ぎると言われたのは、こっちも勉強になった。店での販売も検討したい」と話していた。
また、今年度の「羽ばたけつばくろ応援事業」にはほかに3団体と1個人が採用されている。