紅白の紙を組み合わせて切り絵で作る正月飾り「八丁紙(はっちょうがみ)」を作る体験教室が11月17日、新潟県燕市国上の道の駅「国上」で開かれた。
越後では正月元旦から蔵開きの11日まで八丁紙を飾る風習がある。八丁紙には神棚や鏡もちに飾る前垂れ紙と左右に飾ったマツの声だから下げるソデ型の下げ紙がある。
道の駅「国上」では毎年11月から前垂れ紙の八丁紙を販売し、体験教室も開いている。八丁紙を製作するのは、燕市分水公民館を拠点に活動する地元の切り絵サークル「分水切り絵村」。11月5日から道の駅「国上」で、来年のえとのネズミをデザインしたもの5種類と、鶴亀や宝船など縁起物をデザインした4種類をいずれも1枚380円で販売しているほか、スーパーにも卸す。
大きさはA3判くらいで、デザインが印刷された型紙に沿って白い紙をカッターで切るだけ。作業は単純だが、思い通りにカッターを動かし、細かい部分を切るには神経を使うので、1枚を切るのに30分はかかる。切り終わった紙を赤い紙の上に重ねれば完成。切ったデザインが鮮やかな紅白で浮かび上がり、満足感は高い。
体験教室には午前で10人が参加し、分水切り絵村の会員が指導した。インターネットで情報を見て八丁紙の存在を初めて知った三条市に住む41歳の女性は「そういえば見たことがあるなと思って。あれが自分で作れるなんておもしろそうだなと思ったんですよ。とても難しい」と小さなミスは気にせず、楽しんで作業していた。
分水切り絵村は1990年ごろ発足。会長の今井耕治さん(71)は「人気は浮き沈みがあるが、近年は小さい神棚が売れるようになって正月に八丁紙が増えてきた」と話していた。
販売している八丁紙のほかに型紙と紅白の紙、カッターの販売も行っているので、必要なものを買って自分で作ることもできる。