11月21日に新潟県内の市場でいっせいに新潟県特産の高級西洋ナシ「ル レクチエ」の初競りが行われて販売が解禁されるのを前に20日、JAにいがた南蒲では「ル レクチエ」の出荷が始まった。これまで管内の三条市と加茂市の果樹産地が別々に出荷していたが、ことしは天果糖逸(てんかとういつ)出荷販売協議会(五十嵐和幸会長)に一本化されて初めて出荷量では県内一の規模を誇る「ル レクチエ」の産地として年末商戦に挑む。
20日、加茂市加茂新田の加茂選果場には午前10時ごろから三条市と加茂市の生産農家が予想より多い約10トンの箱詰めした「ル レクチエ」を持ち込んだ。あらかじめ品質の高い方から、赤秀、青秀、良の3段階で表示してあり、出荷者とJA職員約20人ですべての箱を開いて形、色、病害虫の有無などをチェックした。ことしは夏の日照時間が長かったので糖度が高く、秋には雨も適度に降って大玉傾向で病害虫の被害も少なく、例年より甘く良好な仕上がりと言う。
新潟県の果樹産地と言えば、出荷量が最も多い新潟市南区の白根地区が代表とされる。JAにいがた南蒲では、出荷規模を大きくすることで産地としての存在感を増し、販売力の向上につなげようと計画。加茂市に2カ所と三条市に1カ所の選果場のある選果機を更新するタイミングで、ことし7月1日に天果糖逸(てんかとういつ)出荷販売協議会を設立し、それまで別々だった出荷団体を統合した。これにより「ル レクチエ」の出荷量は白根地区を上回り、4kgケースで約10万ケースになる。