ブランド認定で価格競争に巻き込まれない差別化を推進しようと、新潟県見附市の一般社団法人見附市観光物産協会(原山義史会長)は初めて「見附ブランド製品認定制度」を立ち上げ、11月21日は「ネーブルみつけ」で見附ブランド製品第二次審査会を開いた。
見附の顔となる製品を見附ブランドとして認定し、広く情報発信することで見附の物産振興を盛り上げていこうという取り組み。市民から見附ブランドにしたい特産品を募集したほか、事業者からの自薦も募集した。
事務局による書類審査の第一次審査を22事業者の31の商品が通過。それらをこの日の第二次審査でバイヤーなど5人の専門家と3人の市民で構成する審査員が審査したもので、これが最終審査となった。
各事業が参加して自社の商品を展示し、紹介した。見附市に新潟県の重心点があることから「新潟県のへそ」としてアピールしていることから、へそにちなんだあんぱんやラスク、地元の素材を使った食品、地元で育まれたニット製品、今町べと人形、六角凧、端材を使った木琴、福祉施設が作るキクイモを使った菓子などが並び、食品は試食も用意した。
審査員は事業者らに商品の特徴や開発の経緯などを聞きながら、ブランドコンセプト、独自性、使い勝手など6項目で採点し、評価した。先生に勧められて市民として審査員になった県立見附高校1年の古川優人さん(16)は、「見附に住んでいるのに、知らない食材もいっぱいあって、見附の魅力を再発見できた気がした」と話した。
審査結果は11月下旬に発表。来年1月にはブランド本、ポスターを完成させて配布し、ウェブサイトも立ち上げて認定商品を紹介する。
memo
頭だけ取材してさっさと引き上げるつもりでいたが、話を聞き始めたのがまずかった。どの人も話がおもしろい。最近流行のしっとり食パンを10年前から作っていて30万斤を売った、燕市の飴屋本舗の主人の結婚式に出席するほどの付き合い、見附の六角凧は三条の六角凧より縦長、今町べと人形を作る業者は存在しない。
身近な人とつながりがあったり、立ち寄ったことのある店だったり、好奇心を駆り立てられたりで興味が尽きず、結局、すべての人に話を聞いて時間が足りなかった。世間に広く知られるような功績がなくても、誰もが人に聞かせるようなストーリーをもっていることにあらためて気づかされた。