JR東日本とクラウンドファンディング「CAMPFIRE」が共同する「地域にチカラを!プロジェクト」として新潟エリアでは、有限会社ストカ(斎藤智幸社長・三条市北潟)が提案した信越本線の無人駅「帯織駅」(三条市)を活用してものづくりの交流拠点とする「EKILAB(エキラボ)」の取り組みが始まり、クラウドファンディングでは11月25日までに目標の250万円を達成した。
このプロジェクトは「無人駅を活用して燕三条地域の産業発信地と交流拠点にしたい」。ねらいは「利用者のアイディアを形にする場所」、「利用者が燕三条地域と繋がるきっかけを作る場所」、「技術を身に着ける場所」、「職人、地域の方と交流する場所」の4つある。
ものづくりのプランニングのプラットホームにする。CADを使ったデザインの講習や図面の製作、3Dプリンターや卓上レーザーを使ったサンプリング作成、溶接機やボール盤を使った加工、組み立てなどができるようにする。
駅舎を設計ブロックとし、隣接して工場ブロックを設けて必要なアイデアを形にする機械や装置を設置。月額会費980円でフリーWi-Fiのある共有スペースやパソコンが利用できる。機械などの利用は追加料金となり、溶接機なら1時間600円などとなる。
別途職人作業が必要な場合も追加料金がかかり、地場の企業で職人から作業してもらう場合は各企業が設定した料金がかかる。2020年夏にオープン予定だ。
「地域にチカラを!プロジェクト」では各地から駅を活用した地域振興の取り組みを公募し、クラウドファンディングで資金調達して取り組むプロジェクト。EKILABでは目標額250万円で9月30日から11月29日まで募集しているが、締め切りまで残り5日となった11月25日の午後3時時点でパトロン数114人、支援総額258万0251円と目標を達成している。
支援額は1430円から30万5000円まで。リターン品は先行会員登録権やオープニングレセプションパーティー招待券をはじめ、財布、はし置き、ステンレスエコカップ、、コーヒーミル、包丁セットなど燕三条の地場産品がそろっている。
EKILABを企画したのは、ストカの専務、齋藤和也さん(32)。ことしの「燕三条 工場の祭典」で実行委員長を務めた。これまでの実行委員長は最終製品を製造する企業だったが、金属加工業のストカはB to B。「製品が目に見える会社だけでなく、潜在的な工場にも光を当てたい」と言う。
ストカは帯織駅まで直線で約600メートルと近い。駅は高校生も利用するので、「地元で働きたいと思う子どもが出てくれればうれしいし、リターンに品で県外への燕三条の発信にもつながればいい」と期待している。