新潟県加茂市の一般社団法人加茂青年会議所(小日向正弥理事長)は11月24日、加茂山公園で「神池浄化大作戦!」を行い、テレビ東京の「池の水ぜんぶ抜く」のように神池の水を抜いて清掃活動を行った。
加茂青年会議所創立55周年事業として「55」にかけて「池!イケ!ゴーゴー!」と銘打って行い、応募した市内小学生59人が参加した。
加茂山公園入り口の池之端には神池がある。池は4つあり、山の高い方にある池から下の池へ順に水が流れ込み、今回はいちばん下の池で行った。
3つの班に分かれて、新潟県里山研究会の会員を講師にあらかじめ捕獲して整理しておいた池の中にすむ生物の観察と講義、池の底の泥上げ、通路の枯れ葉の掃除を順番に行った。
初めに加茂山にある青海神社の古川修権禰宜(ごんねぎ)が神池のほとりで祈とうを行い、閑院宮載仁親王(かんいんのみやことひとしんのう)(1865-1945)が神池にカメを放ったことや池の上のわき水で明治天皇北陸巡幸でもてなしたことなどを紹介した。
水を抜いた池の底は青い防水シートが敷いてある。森林インストラクターや自然観察指導員でもあるNPO法人にいがた里山研究会理事理事長の小林良範さん(64)=三条市南四日町=が生き物を解説した。
池は加茂市が7年ほど前にも掃除したらしい。池の中には目立ったごみはほとんどなかった。生き物はフナやコイのほかにハゼの仲間のヨシノボリ、ザリガニ、エビ、ヤゴ、クサガメ、ミシシッピーアカミミガメなどが見つかった。
特定外来生物のブルーギルもたくさんいた。一度に数百、数千ものタマゴを生むが、見つかったのは小さな個体ばかりで、大きな個体は上流の池にすんでいて小さい個体が下に流れてきたと思われ、上の池にいる成魚がいなくならない限りは下の池にいるブルーギルもいなくならない。
いろいろな背景があるが、子どもたちは神池にすんでいる想像以上にたくさんの生き物に興味津々で「かわいい」、「食べてみたい」と感想はいろいろ。ラグビーボールのように大きいカメを持たせてもらって目を輝かせていた。かつて神池の上流でホタルの再生に取り組み、ホタルが舞った時期もあり、またホタルを復活させてほしいと話す市民もいた。
加茂青年会議所では昨年も同様の事業を企画したが、加茂市の理解を得られなかった。また、前日の準備作業では、加茂青年会議所会員3人が池に首までつかってずぶ濡れになった
池の底は縁に近い部分は浅いが、中心部分はそれよりさらに1.5メートルほど深くなっている。そうと知らずに池に入り、深い底に滑り落ちたもので、坂で足が滑ってなかなか上がることができず、下準備も命がけだった。