えとに関心の高まる年末年始にあわせて新潟県三条市の三条市歴史民俗産業資料館は、12月3日から来年1月30日まで所蔵品展「はじまるあにまる ー十二支の動物たち−」を開き、十二支の動物にスポットライトを当て、動物にちなんだ所蔵品を展示している。
12のえとそれぞれにちなんだ作品など22点を展示している。三条文人の五十嵐華亭、松川藤陰、行田雲涛のおじの行田八海、帰山雲涯、巻梧石、さらにいずれも三条市出身の日本画家の岩田正巳や浅野正俊、染色家の広川松五郎など、展示作品の多くが三条ゆかりの人の作品だ。
来年はねずみ年。松川藤陰の「和気対眼」は、物干しにのぼったネズミとのその真下にいるネコがにらみ合っているようなようすを描く。軸の縦長の画面を効果的に使って切り取り、どこかユーモラスでもある。
行田八海が描いたトラは目の描き方が特徴的。トラをデザインした「三條国民學校高等科女子一同」とある千人針もある。広川松五郎の「染色壁掛 水村風物」はさまざまなものが描写されており、そのなかにあるウサギを探すのもおもしろい。
岩田正巳の「竹生島詣」は琵琶の名手、平経正の演奏に感応して竜神が現れるシーンを描くが、画面には竜の姿はなく、琵琶の胴の面、撥面(ばちめん)が描かれた竜でにおわせているのもしゃれている。
作品だけではすべてのえとを見つけられなかったので、ひつじとさるは凧絵、へびは文字通り開いている上からみるとヘビのように見えることからその名がついた「蛇の目傘」も展示している。
あわせて十二支の成り立ちや十干十二支で年を現していたことも紹介。来年2020年は「庚子(こうし/かのえね)」になる。あわせて三条市歴史民俗産業資料館裏手の三条市立図書館ではコラボ企画「あなたは何年? 亥(いのしい)→子(ねずみ)」を開き、えとにちなんだ図書約40冊を集めたコーナーを設置している。
午前9時から午後5時まで開館、月曜休館で年末年始の12月29日から1月3日も休館。入館無料。