新潟県三条市は12月15日、三条東公民館で芸人行政書士の縁竹縄(えんたけなわ)さん(40)を講師に権利擁護講演会「『備え』だよ!全員集合!」が開かれ、会場いっぱいの130人が来場して大盛況だった。
三条市は年に一度、高齢者や障害者の権利擁護に関する講演会を開いている。昨年、講師を依頼して好評だった縁竹縄さんにことしも講師を頼んだ。
縁竹縄さんの本名は高橋正芳。三条市出身で今は加茂市に住む。昭和初期のエンターテイナー“エノケン”こと榎本健一の歌を歌う浅草芸人として活躍。ふるさとに戻って家業の溶接業で働きながら音楽活動も続けたあと、行政書士となり、歌声喫茶のような合唱と終活や家族信託に関する講演を県内各地で行って好評を得ている。
今回は三条市版エンディングノート「わたしの安心ノート」の記入方法や、なじみのない成年後見制度、家族信託、相続の話や、終活の大切さを考えさせられる詩の朗読などを行った。この日は歌は封印して、祖母が認知症になった経験から、お年寄りの手助けがしたいと司法書士の道を選んだ経緯に始まり、高齢化の現状や平均余命といったデータを示して本題に入った。
終活の備えを考えている高齢者を中心にその子どもの世代の人や福祉関係者の出席もあり、誰もが必ず経験する死で家族や周囲に迷惑をかけないための知識を真剣に聴き入っていた。