大みそかの12月31日、新潟県三条市では1年の最後の歳末臨時市が開かれたが、強風が吹き荒れたこともあり、中央市場の出店は3店、八幡小路市場には出店がなかった。
毎年恒例の1年の最後、最終日の三条の市。毎年、この2カ所で開かれているが年々、出店が減っている。朝の三条は最大瞬間風速16.1メートルを記録する台風を思わせるような強風が吹き荒れたこともあるのか、さらに出店が減った。
中央市場は昨年は5店ほどの出店があったらしいが、ことしは鮮魚、しめ縄、パンを売る3店だけ。しめ縄を売る店はテントを立てずにミニバンにしめ縄を積んだままドアを開けて販売し、移動販売車のようだった。
鮮魚を売っていたのは定期市ではおなじみの長谷川鮮魚店。強風にあおられてテントがばたばたと大きな音を立てていた。客のほとんどが長谷川鮮魚店目当てで、客足が途切れることがなかった。
あらかじめ予約している人も多い。年夜を前に財布のひもも緩みがちで「やっぱタコがねーと、寂しいーて」。店主の長谷川孝志さん(59)も客の要望に応えようと「千円でいいーね」、「じゃあこっち、2千円で」と売り残しても仕方ないので、値引きも気前が良かった。
この日の出店は少なかったが、長谷川さんによれば前日30日に四日町市場で開かれた五・十の市は「うち史上、最高だった」というほどよく売れた。大みそかに市に出かける人は減っているものの、正月用品を市で買い求めようという需要は健在だ。